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INTERVIEW

Japanese

GRAND FAMILY ORCHESTRA

2017年04月号掲載

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Member:松山 晃太(Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

松山晃太(BYEE the ROUND)、千葉龍太郎(ex-新世界リチウム)、ピクミン(ex-ハヌマーン)を中心に結成されたGRAND FAMILY ORCHESTRAが、2ndミニ・アルバム『YELLOW VALENTINE』をリリースする。トリプル・ギターのボリューム感と骨太なグルーヴを活かしたファンキーなロック・サウンドと、体温が高く、やるせなさを背負った松山のヴォーカルとで、歌をぐっと刺してくるバンドである。ソウルフルで、人生のままならなさも知る年代になったからこそ表現できる、悲喜こもごもや生の肯定感が、とてもリアルでパワフルだ。前バンドの活動休止などを経てスタートしたバンド、音楽について松山に話を訊いた。

-みなさんそれぞれにキャリアを経てきたメンバーですが、このバンドはどのようにして結成したのでしょうか。

千葉(龍太郎/Ba)が、私とピクミン(Dr)を会わせてくれて、何ヶ月かその3人だけでスタジオに入って曲を作ってました。もう1本ギターと鍵盤を入れたいと話し合い、先にギターに声を掛けていたところ、またもや千葉の昔からの知り合いで森山(良太/Gt)とえばた(A.F.あい/Gt)がやってきて。ふたりともやりたいって言ってくれたので、もう面倒くさいから3本でいいやとなりました。誘った理由は暇そうだったからですが、最初にスタジオでみんなで合わせたとき、やっぱ3本あるとパンチあるし、レコーディングでオーバー・ダブした音だったりをライヴでかなり再現できるなと思ったので、このメンツでやることにしました。

-結成時に、どういうバンドにするか、どんな音楽を奏でていくのか、何かヴィジョンはありましたか。

結成時にはまったくありませんでした。いろいろ話し合っていくなかで、今は、心と身体が踊る、気持ちよくて且つ刺さる音楽を鳴らしたいなと思って。これは気持ちいいかな? 刺さるかな? そんな自問自答をしながらみんなで曲を詰めています。

-各自がバンドを経験してきたからこそ、このGRAND FAMILY ORCHESTRAを始めるにあたって大事にしたこと、あるいは封印したことなどはありますか。

面倒くさくても納得いくまで話し合うこと。必ずみんなで意見を言うこと。これを大事にしているつもりです。封印したことは、今のところあんまりないかな。

-昨年1stミニ・アルバム『BACK TO THE ROCK'N ROLL』をリリースしてから、新作『YELLOW VALENTINE』に至る過程で、バンドでの変化、制作の方法などで変わってきたことはありますか。

雛形を作って、それをバンドで合わせて、感触が良ければセッションをしながら詰めています。今回もそうやってできました。各々好きなジャンルやルーツがあるので大変ですが、みんなの好きな音感が少しずつわかってきたし、全員が今何をしているか、何を考えているかをセッションのなかで捉える速度が少し上がったかなと思います。

-2ndミニ・アルバム『YELLOW VALENTINE』は、全7曲サウンドのタッチが様々で、また様々な思い出を抱え、人生を抱え、やるせなさを感じながらも生きていく歌が綴られています。今作は、何かテーマを持って作った作品でしょうか。

歌詞は生き物なので、そのときにしか書けない言葉をいかに吐き出せるかだと思っています。そして吐き出されたそれらが、美しさと救いとダサさとキャッチーさと情景を持って、聴き手のところまで届くか。これでしかないと思っています。同じ日本で、同じ言葉を扱って生きる人たちに聴いてほしくて書きました。やるせないけど続く人生と、向き合って生きていこうとする人に届けばいいと思っています。

-普段、どんなことに心が動いて曲や歌となっていくことが多いでしょうか。

恋愛、セックス、仕事、学生時代の思い出、友達との会話、観に行ったライヴ、他の誰かの作った音楽、タイムライン、小説、映画、漫画......ほぼ全部っちゃ全部です。

-ソングライターとして、今より書きたいことはありますか。

誰かの一生ものの、一番の曲を書くのが夢です。葬式で流してくれっていうような。いつの時代も、ソングライティングに求められるのは、苦しみであり楽しさであり、絶望であり希望であり、醜さであり美しさであり、共感であり鼓舞であると思っています。いい曲ってのは誰かを救えると思っています。愛ですね。

-ファンキーでソウルフルな「リンディンドン」(Track.1)、「TAXI」(Track.3)、重厚なバンド・アンサンブルが堪能できる「黄金になる」(Track.2)、ロックンロールな「大人の旅」(Track.5)など、いずれもゴージャスなロック・バンドらしさと、大人の戯れも混じったサウンドです。特に「七夕の虹」(Track.4)や「ニコウエ」(Track.6)は、アンサンブルのダイナミズムとほどよく力の抜けたグルーヴが生々しく伝わります。今回のサウンドについて、よりこだわったのはどんなところですか。

日本の、ギターを扱うロック・バンド、死ぬほどいっぱいいると思うんです。やっぱり差別化は図りたかったので、カチカチしすぎたテイクや録音方法は避けて。だいたい一発録りで録音しました。あとは、鳴ってる音の全部が楽曲の意味を持つように自分たちなりに考えました。あとはスケール感、ギターいっぱい鳴ってるけども抜け感があること。5人いるからこそのコーラス・ワークです。

-自分たちでは、GRAND FAMILY ORCHESTRAをどういうバンドだと思っていますか。また今、バンド・サウンドとして特に力を入れているのは、どんな点ですか。

うまく成長できれば、すごくズルいバンドになれるんじゃないかなって思ってます。クラブでもライヴハウスでもお茶の間でもフェスでも、いて違和感がないというか、ハマるというか、そういうバンドになれる可能性があるんじゃないかなって思っています。自由な音楽家たちでありたいので、今、日本でバンド・サウンドって言葉から想像されるものよりも、ほんの少しでいいから飛び出したい。笛吹いてもいいし、タップ踏んでもいいと思ってます。

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