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INTERVIEW

Japanese

阿部真央

 

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-それと同時にサウンドの幅もすごく広がりましたね。曲が表現しようとしてることに対してのアレンジが明確なのかなと。

そう思います。ありがとうございます。

-1曲1曲が違うし。例えば、「逝きそうなヒーローと糠に釘男」(Track.2)は若干懐かしい感じもするハードなロック・チューンですけど。

ふふふ、そうですね。これはもう完全にアレンジャーのakkin(ONE OK ROCK 他)さんにお任せしてることが多いんですよ。作ってもらってあまりにもイメージと違ったら言うぐらいで。かっこいいの上げてきてくれましたよね。

-この曲は容赦ない内容だから、それがそのままアレンジにも出たのかな? と。

そう思います。あとやっぱり、akkinさんが曲に合わせたものを提供してくれてるってのもあるんですけど、akkinさんの中にある"熱さ"みたいなもの――最初は結構爽やかなアップテンポ・チューンみたいなものをお願いすることが多かったんですけど、意外とドロドロした曲の方が私と組んだときのakkinさんらしさがより出ていて、そっちかなって思うんですよ。明るい曲もいいんですけど、本人が持ってる暗かったり強かったりするものが、今回の強めの曲はすごく投影されてる気がしますね。

-そして、曲そのものが新鮮且つかっこいいなと思ったのが「You Said Goodbye」(Track.4)。まるでFOO FIGHTERSかというほどの骨太なロックで。

ははは、ありがとうございます。私、全然詳しくないんですけど、なんか今回はちょっとOASISみたいな曲を作りたいなと漠然と思って。前はそういう気持ちで作ることも嫌だったんですね。でも、面白いし私がやりたいと思ったことだからやればいいと思って、今回やってみたんです。そしたら、akkinさんがそれをまた拾ってくれてめちゃめちゃかっこよくしてくれたという。で、すごく個人的な見解なんですけど、OASISのLiam Gallagherさんの声のトーンって、お兄ちゃん(Noel Gallagher)が作る音に絶妙に合うんですよね。やっぱり帯域的にすごくいいところにいるなと思ってて。抜けすぎず、でも引っ込みすぎず、曲の全体の音があったら、常に真ん中よりちょっと下なんだけどすごい抜けて聞こえるとこにいる。だから、そういう音の聴かせ方をしてんのか、あるいはもともと持ってる才能なのかわかんないですけど、歌い手として抜群だと思ってるんですよ、ずっと。で、私の声もそういう位置に持っていきたいと思って朝一で歌ったりして。そしたらいつもより低い声になるから、マイルドになりすぎない、声出すぎてないところで。たぶん他のヴォーカルさんはマイクにこだわってみたりするんだろうけど、私は何もやったことがないから、いろんな声を出すのが好きってところで"ちょっとチャレンジ"と思ってやってみた曲です。それをこのかっこいいサウンドに乗せてできているのはすごく嬉しいですね。だから、恐れ多くもこの曲は、とにかく音がかっこいいっていうふうに自負してます。

-たしかに。で、今回の肝と言っていい5曲目「母である為に」、6曲目「この時を幸せと呼ぼう」ですが。

はい、お母さんになった曲。

-「母である為に」は、"母"って言葉がこれだけ出てくる曲は聴いたことないんですが(笑)。親の方の気持ちを想像してもすごい歌だなと思いつつ、且つ作文みたいな歌詞でもあり。

ほんとに思ったことをポツポツ書いたので、一番考えずに書いた曲かもしれないです。だからどうとかいう結果もないし。でもなんかね、子供の寝顔を見てるときに、それこそ離婚したときかな、この子は母親が前に出てる人間であるためにおそらくこれからいろんなことを言われるんだろうなと思って。こんな仕事なんで子供がすごく求めるときに100パーセントそばにいてあげられるかもわからないし。ま、それは働くママみんなそうだと思うんですけど、でも特に。で、子供が一番嫌なことって何かな? と考えたら、やっぱ親と向き合えないことと、親の悪口を言われることだと思うんですね。自分がそうだったから。だからなんか、"ごめんね"っていう気持ちがすごくて、でもお母さんはあなたを産んだとき、どんだけ幸せだったかという気持ちも残したいなと思って。