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INTERVIEW

Japanese

ペロペロしてやりたいわズ。

2016年09月号掲載

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Member:ムカイダー・メイ(Vo/Gt) あららぎ(Gt) ハナ(Ba) なおきさん(Dr)

Interviewer:白崎 未穂

相変わらずバンド名だけで損してそうな広島の男女4人組の"ペロペロしてやりたいわズ。"が、前作『ペロペロしてやりたいわ』から約1年ぶりとなる新作『ローカリズムの夜明け』をリリース。攻撃的なガレージ・ロックやポスト・パンク的なサウンドにファンクな要素も取り入れていた前作と比べ、隅から隅まで音質にこだわったという今作は、根底にあったポップな部分をより押し出し畳み掛けてきた! 昨年8月に新メンバーのハナ(Ba)も加入し、改めて"ペロペロしてやりたいわズ。1作目"と言わんばかりの自信作を引っ提げ、広島から"ローカリズムの夜明け"をどう見せつけるのか? 初のフル・アルバムについて、メンバー全員に話を訊いた。

-前作『ペロペロしてやりたいわ』(2015年リリースの1stミニ・アルバム)をリリースしてから約1年が過ぎましたが、調子はいかがですか。

ムカイダー:ライヴの本数は明らかに1年前と比べたら増えてるし、ライヴで行ける土地も増えたし。北海道と下北沢は、去年初めてライヴをやりました。

-広島から北海道って思い切らないと行けない距離だと思いますが、行動範囲が広がったのは何か訳があった?

ムカイダー:うーん、単純に私と蘭ちゃん(あららぎ)が今年の3月まで大学生だったので、(行こうと思っても)予定を組むのが難しかったんですよね。

あららぎ:今やっとスタッフさんに手伝ってもらえるようになったので、それも大きいかなと思います。

なおきさん:あと自分たちだけだと、北海道まで行こうという気になってなかったですね。空きっ腹に酒のツアーについて行ったのが大きなきっかけだったかもしれんね。

ムカイダー:たしかに! 連れてってもらった感ある(笑)。

なおきさん:そこで味を占めて、"よっしゃ俺らだけでも行こう!"って(笑)。

-空きっ腹に酒のツアーに帯同したというと、今年4月に開催した"わがまま放題対バンツアー"ですね。北海道から福岡まで全国6都市を巡ったわけですが、ペロペロしてやりたいわズ。(以下:ペロペロ)にとっては初のツアーとなりましたが、率直にいかがでした?

ムカイダー:......こてんぱんにやられました(笑)。もうなんか、ライヴの本番だけじゃなくて、その他のストイックさもすべて見せつけられた感じがあったので。

なおきさん:空きっ腹に酒だったこともありますけど、やっぱり男性的だったかもしれないです。僕がペロペロに入ったとき(※2014年11月に加入)に感じたのが、他のメンバーがすごく感覚的にやってたんですよ。例えば、メトロノームの音でワン・ツー・スリーって正確にテンポをとるんじゃなくて、自分たちが今まで培ってきた野生のワン・ツー・スリーを持っていて(笑)。僕はどっちかというと、もともとキッチリやるタイプだったので、その空気感に合わせていくのって結構難しかったんですよね。でも空きっ腹に酒はある程度カッチリ理論的にやりつつ、やりたいことは感覚的にやることができてるなと。その根本的なところには、個々のストイックな理論に基づく練習があるんだと思います。

あららぎ:ライヴ本番までの時間の使い方とか、ひとりひとりの姿勢が見えて勉強になりました。ギターの西田(竜大)さんとか走ってましたし。

なおきさん:楽屋に走るスペースがないから、同じところを行ったり来たりするだけのランニング(笑)。

一同:(爆笑)

-空きっ腹に酒以外のバンドはどうでした? 対バン相手にはKING BROTHERS、バックドロップシンデレラ、日食なつこさんなどたくさんいたと思いますが。

ムカイダー:どの土地もすごいバンドばかりで、いろんな方向からやられるばかりでした。ライヴが終わると、"よし、明日も頑張ろう"って自分を奮い立たせてみるものの、結構へこんでましたね(笑)。でもツアーのスケジュールが、土日にライヴやって、一旦広島に帰って練習して、また土日にライヴをやるっていうスパンだったので、広島に帰っている間に試行錯誤する時間がありました。それに、セミ・ファイナルが広島だったこともあって(※4月17日広島 BACK BEAT公演)、なんか気持ちが高まっていきましたね。

あららぎ:空きっ腹に酒はずっと同じセットリストで、ライヴの本数を重ねていくごとに、その曲たちがどんどんできあがっていく感じがすごくて。全体的にやっぱりすごいなって思いました。

なおきさん:このツアーの空きっ腹に酒は、全公演すべて同じセトリでライヴをやっていたんですけど、ペロペロはセトリをほとんど毎回変えてたんです。

-へー! セトリ変えていたんですね。

ムカイダー:例えば、東京の次に名古屋でやったとしたら距離が近いから、もしかしたら同じ人が観ているかもしれないって、いらんこと考えちゃってたんですよね。

なおきさん:それで、空きっ腹に酒のヴォーカルの(田中)幸輝さんに、"なんでセトリ変えないんですか?"って聞いたら、"同じセトリでもその時間にできることって毎回違う"みたいなことを言われて、そのツアーの3本目ぐらいから俺らもそれを取り入れてやってみました。それがすごく良かったですね。セトリを固定することで自分たちの成長の度合いがわかるというか。それに、外部の人からも"良くなってきたね"って言ってもらえました。

-ハナちゃんは"わがまま放題対バンツアー"どうでした? 前のバンド、satellite blue metro(以下:サテライト)のときにツアーは何度も経験していたと思いますが。

ハナ:このメンバーで同じものを見て同じように感じて、その中で"セトリを固定した方がいい"、"でも固定したら~"という感じで意見を言い合うことで、ようやくメンバー同士でも戦うことができたし、バンドとしても先輩にぶつかって行けたっていうのがこのツアーの大きなところだったなと。すごく勉強になりました。

-もうひとつ、この1年間で大きな出来事として昨年の8月にハナちゃんが正式メンバーとしてペロペロに加入したんですよね。サポート自体はいつごろから?

ハナ:2015年の春からサポートして、最初のライヴが東京でした。そのときは前のバンドと掛け持ちしていた状態で、そのペロペロのライヴも行けるかどうかわからなくて、すごくあやふやな時期でしたね。

-ペロペロに入ろうって決めたのは?

ハナ:本当は"satellite blue metroが終わったら、もうバンドはしない"って自分の中で思ってたんですけど。そういうふうに考えていた時期に"サポートでベース弾けないか"ってお誘いいただいたので、ペロペロとサテライトを同時進行で始めました。ペロペロの前任ベース(ヤマシタ帝国)も辞めるかどうかわからない時期だったので、あまり介入し過ぎないようにサポートに専念しようと。結局ヤマシタ帝国が続けられなくなって、メンバーに面と向かって誘われたわけではなかったんですけど、"どうする?"って雰囲気もあったし私も入りたいって思ったけど、バンド自体をもう辞めようと思っていたのでかなり迷ってました。でもまぁ"楽しい"が根本にあったし、このタイミングでペロペロをやらなかったらたぶん後悔するし。それに、もし他の人がペロペロでベースを弾いとるのを見たら"もうライヴ観に行かん"ってなってただろうから(笑)、だったら自分が弾いた方がいいなと。実際にやってみてから考えればいいことかなって結論になったので、"一緒にやらせてください"ってみんなに言いました。