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INTERVIEW

Japanese

ReN

2016年06月号掲載

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-収録曲のほとんどが、友達、恋人、自分など、誰のために歌っているのかがわかりやすく、詳細な人物像みたいなものが見えてくるんですけど、唯一「Lights」だけ、歌詞に"誰かが道に迷ったら"とあるように不特定多数の"誰か"のために歌っている曲だなと。

あえて僕は特定したくなかったんです。"誰、コレ、アレ"って特定してしまうと、それだけの歌になってしまうなと。この曲は、僕にとっての"Lights"って何なのかを考えて作った曲です。"光"って人によって違うと思うんです。やり方、方法、道標や答えだったり。いろんな"光"という存在があると思うんですけど、僕の中での"光"は、自発的に生まれる"自信"だと思っています。どれだけ見た目が良くても、裸になったときに何が残っているのかということが重要で――僕、今22歳で社会人1年目の年代なんですけど、友達の話を聞いても大変そうだし、僕たち"ゆとり世代"って悩んでる人が多いと思うんです。ひとつ仕事をするにしても、やり方を教えてもらわないと"何をどうしたらいいかわからない"という人が多いのかなと。でも、もし周りに誰もいなくなったとき、結局自分ひとりしかいないので、自分が光って、自分の中から自力で答えを出していく意識を持っていることが大切だと思っています。僕は音楽をやる人間なので、僕にはそれができるかもしれないと思っていて。自分が輝くことによって見てる人たちから、"元気をもらった"、"すごいな"、"力をもらったよ"という声が自然と出てくるのがライヴだし、それがアーティストだと思うんです。だから僕は、そういう自信をもっとつけないといけなくて。去年100本目のライヴをやったときにお客さんがたくさん集まってくれたんですけど、そのみんなを圧倒できるほどのパフォーマンスができなかったんです。自分の中に弱い自分がいて、胸を張れなかった。イベントとしては大成功だったけど、自分では素直に喜べなくて。"照明は必要だったのか?"、"ピン・ライトだけだったらどうだったんだろう"、"スタッフもいなくて自分ひとりだけしかいなかったらどうなっていたのか"って思ったときに、まだ自分が人に照らされてるだけなんだなと感じて......。だから、去年までは去年までの自分。今年は自分が"Lights"になっていくという気持ちを込めて、このアルバムのタイトルにしました。僕は月明かりじゃなくて、自発的に光りたいんです。"こいつがここまでできるなら、俺だってできる"って思うタイプなんですけど、そういうふうに思ってもらいたいなと。売れたいとか、ヒット曲を作りたいではなくて、自分が自信満々でプレイできるライヴをいつかは表現したいと思って。みんなに"こいつ波に乗ったらヤバイな"って言われるようなライヴがしたい。びっくりさせるようなライヴをしたいんです!!......あ、なんかすみません(笑)。

-なんで謝るんですか(笑)。

なんか長く喋っちゃったなと思って(笑)。スナイパー・ライフルみたいに遠くの人にバッチリ届く曲ではないかもしれないけど、引っ掛かる人には引っ掛かるんじゃないかなと。

-こういう、道に迷った誰かへ向けている曲というのを求めている人はたくさんいらっしゃると思います。世の中的にもそういう状況ですし、明日どうなるかわからない日々の中、"足元を照らせるように 僕が光になればいい"と言ってもらえるのはすごく頼もしいです。

僕ができるなら、誰でもできると本当に思っているので、まずは僕ができることを証明しないといけないなと。僕がEd Sheeranを観て、自分でもできると思ってまた始めた音楽なので、まだまだハナクソぐらいのレベルですけど、前に進みます。僕は一生懸命ギターの練習をしたし、ギターを弾く時間をたくさん作ったし、歌もそう。それ自体が、自発的に光ろうとしている最初のモーションだと思うんです。そういう積み重ねが最後の瞬間に煌々と光ると思う。積み重ねる時間が大事だということを知らない人が僕らの世代には多い。そこまで没頭するものがないのかもしれないけど、でも人間て、没頭できるものがあれば真剣になるし、どんな弱気な人でも、やるときはやるだろうし。僕だって弱いタイプで、恋愛にも弱いし、病みやすいタイプなんです。だからこそ、僕にできることは誰だってできるはず。

-それに、ReNさんだからこそできることもありますしね。

そこを伸ばしていかないといけないし、それによって俺はどういう表現ができるかなって。とあるカッコいいアーティストを見て、この人がやっていることを自分のスタイルでやったらどういう表現ができるだろうかと考えて。最初はまったく一緒だったけど、これからだんだん変えていって、自分の色も出していかないといけない。その自分を最初に表現できたのが、この『Lights』なんです。僕の中では、シナリオどおりに狙ったものが作れたし、今年やろうとしていることもベストな環境で今はできているので、これを積み重ねていけば自ずと輝けるんじゃないかなと思っています。

-すべて大切な曲だと思いますが、あえて今作の中で思い入れのある楽曲として挙げるならどの曲ですか?

「Lights」と、「生きる」と、「Illumination」(Track.1)です。うまく僕の陰と陽を出せたなと。幻想的な世界観を出せた3曲ですね。

-「Illumination」はCOLDPLAYを彷彿とさせる奥行きある音作りも気持ちいいですね。"夜が明けるまでここにいるよ"、"夜が明けるまで君といるよ"という歌詞が安心感のある歌詞でReNさんの優しさがうかがえます。

そう、COLDPLAYも大好きで。僕が大好きな音の世界を表現したかったので、空間系の音も含めて彼らにインスパイアされて作りました。「Lights」は、内向的な部分、そしてこれからなっていきたい自分を表現した歌です。「生きる」は、僕の"始まりの歌"なので、僕があのとき感じた苦しさとかを表現してます。ただ、僕はまだ22歳なので「生きる」を聴いたとしても、"そんなキツイ経験してないでしょ"って思う人もいると思います。もちろんそのとおりだと思うし、"いろんな経験"というのも、自分がやりたいと思ってやってきた経験なので、それ自体幸せなことだとは思うんですけど、その中で感じた悔しさは、本当に自分が感じたことです。「生きる」は僕の中ではかなり強めの歌なんですけど、いったんぐしゃぐしゃになった感情で、誰かに向けた怒りもあったし、自分に対しての怒りもあったし、そういう混沌とした自分の感情を表現したのが「生きる」です。

-その3曲がとても大切だと。

そうですね。「生きる」は特にライヴで育ててきた歌というイメージがすごく強くて、最初に弾いたフレーズと変わらないAmなんですけど、100本のライヴを経て歌い方も弾き方も変わった曲なので、ライヴで育てましたね。今年は「Lights」をライヴで育てていこうと思っています。