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INTERVIEW

Japanese

ヌ・シャボンヌ

2016年04月号掲載

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Member:松本 愛美(Ba/Vo) ナンリチホ(Gt) 国民の弟たっくん(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-ストーリーが繋がっているんですね。

松本:そうなんです。"下"の「泡の宴」(Track.1)では、「星のありか」の主人公が死ぬんです。そこで死んで雛罌粟となってひとりで咲いているんですけど、最後の「雛罌粟の夢」で、自分を殺した人を自分のところに呼び寄せて、ひとりだった雛罌粟が咲き乱れて世界をその人ごと埋め尽くして、永遠に歌い続ける、というストーリーになっています。それと、"上"の「フィナーレ」は、世界の果てまでふたりで逃避行をする話なんですけど、「星のありか」に"やけに幼い 恋人たちの逃避行が この髪を靡かせた"という歌詞があって、「星のありか」の主人公と「フィナーレ」の主人公がすれ違っているんです。そういうストーリーも聴いてもらえたらと思います。それと、"下"の「雛罌粟の夢」には、"彼岸花はここでは二度と咲けない"という歌詞があるんですけど、3ピース時代の1stミニ・アルバム『短篇集』(2014年リリース)のジャケットなどのアートワークのイメージが彼岸花だったので、"もう3人のときには戻らない、前を見て進んでいる"というバンドの姿勢を、"彼岸花はここでは二度と咲けない"という歌詞で伝えたかったんです。全体的に、曲としてマイナーで暗い感じではあるんですけど、絶対後ろを振り向いていないんですよね。ずっと前だけ見て進んでいるので、そういう意味ではかなりポジティヴな作品になったと思います。

-歌詞に使う言葉にもすごくこだわりがあるのでは?

松本:「灰色」(Track.3)は、いかに"灰色"という単語を使わずに表現できるかを意識して作ったんです。そういうふうに、ストレートに"君が好きだ"と言うのではなくて、違うところから遠回しにいろんな言葉を繋げて、その言葉にたどり着きたいという狙いはずっとあります。

たっくん:弟の僕からしても、どういう人生を歩めばこういう歌詞が出てくるんだろうなって思いますね(笑)。一緒に住んでいるんですけど、姉はバイトに行ってるかベースを弾いているかなんですよ。だからそういうエピソードもないはずなのに、どうやったらこんな歌詞が浮かぶんだろうって。曲自体も重たい感じが多いし。

ナンリ:私も"この曲はこういう話なんだよ"と聞かせてもらって、どうやったらこういう歌詞が書けるんだろうって不思議に思います。自分にはないものがありますね。

-そういう歌詞の発想はどこから生まれてくるんでしょう。空想したり?

松本:いや、いつも結構ボーっとしているんですけど(笑)、歌詞を書き始めて、自分が引っかかる単語を書いているうちに、"あっ、これはこういう世界だ"と閃く瞬間があって、言葉がバーッて出てくるんです。だから自分でも、"なんでこんな言葉が出てきたんだろう?"という気持ちはありますね。

-「らせん」(Track.4)は言葉が少なくて、演奏の面白さが際立つ感じですね。

松本:これも感覚で、間奏でいろいろ面白い感じになっていくのをデモで作っていたら、歌詞はあんまりいらないなって思いました。

ナンリ:歌詞を読みながら聴いてほしいですね。よく聴いたら面白いこともやっていますので。

松本:「らせん」の"アア~"という部分の途中で、すごく小さい声でセリフを言っているんです。

たっくん:ヘッドフォンで聴いたら、すごいホラーなんで(笑)。

松本:そこを爆音で聴いてほしいなって思います(笑)。

-今後の目標や夢があれば教えてください。

松本:もっといろんな人に聴いてもらいたいです。最終的には"ミュージックステーション"に出たいですね(笑)。"エモーショナルロック歌謡"という世界観を"Mステ"でできたら絶対面白いだろうなって思うし、私たちがメジャーになったら面白いんじゃないかなと思うので。ぜひ聴いてみてください。