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INTERVIEW

Japanese

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2015年11月号掲載

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Member:大橋(Vo/Gt) misao(Key) 一志(Ba) 鴨下(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-間違いないですね(笑)。みなさんのJ-POP志向っぷりは覚えやすくて歌いやすいメロディ・ラインに表れていますね。歌詞でも日本語っぽさというか、言葉を大事にしている印象がありまして。とはいえ、言葉の意味というよりかは語感のリズムを大事にしているのかなとも思いました。

大橋:そうですね。

misao:友達にも"歌詞見ないと英語に聴こえる"って言われますね。

大橋:いいのか悪いのかわからないけど、俺はそれが嬉しいかな。そもそも歌詞の書き方が本当にわからなくて、似ている言葉で意味も合いそうな言葉を探すっていうところから始まってて。ついでに韻も踏めるし一石二鳥、みたいな浅はかな考えですね(笑)。

鴨下:歌詞のための歌詞というよりかは、メロディのための歌詞っていう感じだよね。

-でもそれだったら英語で歌うっていうのもアリだったと思うんですよね。

大橋:洋楽っぽいことをJ-POPでやりたいという思いもあって。やっぱり英語だと聴いててもわからないじゃないですか。あと、そもそも英語が達者じゃないっていうのもあります(笑)。

鴨下:基本的に背伸びをしないタイプの人間なんですよ。"できるものでやろう"とか"安い中で食おう"とかね。洋楽って、英語わからなくても聴いてたら"カッケー!"ってなるじゃないですか。その理由にはいろいろな要素があって。音を聴いて"いいな"って思われることが目的だとすれば、手段は別に何でもよくない?っていう考えですね。日本語だと歌詞カードを見て言葉の仕組みに気づいたときに2度おいしいし。

大橋:2度おいしい感は欲しい。2度目以降で聴き方とか感じ方が変わればいいよね。

misao:バンド・メンバーも、レコーディングで歌詞カードが出てきたときに初めて"あ、こんなこと言ってたの?"ってなることもあって。"今のSNSの時代を斬っている曲だなあ"とか。

-Track.4「teenageはfantasy」ですね。今回の『TULI』はUKやUSのテイストが強いアルバムですけど、また次回作では音楽性が変わっていくのかなと、今日お話を聞いていて思いました。その可能性はやはり高そうですか?

大橋:高いと思います。2~3年経ったら今やってる曲はやらないとかザラにあるので。

-ライヴでは昔の曲はあまりやらないのですか?

大橋:たまにやりますね。あと、対バンとかイベントに合わせて選んだりもするし。

鴨下:でも最近は今のアルバムの曲をメインにやってますね。

大橋:ライヴハウスの人には"どういうことをやりたいのかがわからない"って言われたこともあるんですけど、それでいいのかなって我々は思ってて。

-今はそのジャンルレス具合を謳歌しているように見えるんですけど、そういうふうに言われることをコンプレックスに思っていた時期はありましたか?

鴨下:作ってできあがった時点で自分たちがやりたいようにやっていることなので、それを"他と合わないから"ってやめるのも健全じゃないし、やりたいことならやればいいかなって。結局ポップ・ソングで、彼(大橋)の歌とちょっと変わったシンセとコミカルなリズム隊、っていう根本は変わらないので。我々の特色が全部に入っているのであんまり気にしてはいないです。

-なるほど。あと、収録曲の中にミディアム・テンポのものが多いなと思いまして。意識してそういう曲を集めたのでしょうか?

大橋:意識してますね。例えば四つ打ちはやらないとか、テンポとリズムの縛りみたいなものは課してて。決めたというか自然とそうなっていきましたね。今、世の中的には速い曲が主流じゃないですか。そういった雰囲気のものもやろうと思ったんですけど、なかなかしっくりこないし、手が追いつかないというか(笑)。でも意識的にミディアム・テンポにしてますね。

-最初聴いたとき、これは静かなるカウンターなのかな?と思って。

大橋:カウンター......かもね。

-そういう意識はあんまりないですか?

鴨下:出ちゃったっていう感じかもしれないね、イメージとしては。思い切りカウンターでやっていこうぜ!という感じではないけど。これはカッコいい、これはカッコ良くない、これは俺らがやるべき、俺らがやるべきではない、っていう分別があるんですよね。だからたぶんそういう思いがあるんだと思いますね。

-でも一志さんはもともとパンクやメロコアが好きだったんですよね? 速い曲をやりたいなとは思いませんか?

一志:そもそも僕に音楽を教えてくれたのが、サークルに誘ってくれた友達と鴨下さんで。大学のサークルに入ってからはパンクよりもパワー・ポップ側に移行していったんですね。

鴨下:俺が洗脳したんです、彼を(笑)。

一志:だから速い曲っていうよりもWEEZERのちょっと落ち着いた、でもズンズン鳴っているような、"ゆっくりだけどギター超ヤバい"みたいなのが僕は好きなんですね。このバンドで速い曲をやろうとしたときも結局"もうちょいゆっくりの方がカッコよくね?"みたいな話に自然となっていくっていう(笑)。

鴨下:そこは全員のセンスが統一されてるんだろうね。

大橋:かもしれないね。