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INTERVIEW

Japanese

Marmalade butcher × ATLANTIS AIRPORT

2015年11月号掲載

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Member:Marmalade butcher:にえぬ(Gt) J氏(Gt) ATLANTIS AIRPORT:y0den(Key)

Interviewer:岡本 貴之

-初回盤には特典がつきます。これはお互いの曲をリミックスしたCDということですが。

y0den:僕は勝手に自分でリミックスするということはやっていたんですけど、今回、人の楽曲をちゃんとリミックスするにあたって、いろいろと思うことはありましたね。インストをリミックスするのは難しいなと。マ肉にはATLANTISの「映画の中の出来事」(2015年4月リリースの『A[]Passport-EP+2』収録)をリミックスしてもらったんですけど、これに関しては"やられたな"と素直に思いましたね。

にえぬ:おおっ、なんと。

y0den:自分から負けを認めるって気持ちいいんですよ。悔しい気持ちもあるんですけど、"これは気持ちいい負け方だな"っていうのがあって。宅録でやってきたことが良く出ているなと思って。そこは敵わないなと思いつつ、これから追いつきたいなって(笑)。

にえぬ:いやいやいや(笑)。

J氏:「映画の中の出来事」は僕がすごく好きな曲だったので、リーダーがどういうリミックスをしてくれるのかは聴きたかったですね。

にえぬ:あとはATLANTISの代表曲ということもあって。

-"Glitch Airport Remix"という副題にしたのは?

にえぬ:タイトルは遊びなんですけど、これはリミックスということもあって、曲を活かしつつ壊した感じでやろうと思って、冒頭からブツ切りのアコギとかを入れて。原曲のトラックを使っているのはヴォーカルとy0denさんのキーボードだけで、それにプラスしてアコギとエレキ・ギターの小編成でやってみようと思って作りました。y0denさんのキーボードは細かいというか、良くできてるなあと思って、これよりいい鍵盤は打ち込めないなと思ったのでそのまま使いましたね。そこは参考になったというか、負けましたね(笑)。

y0den:いやいやいや(笑)。

にえぬ:ATLANTIS AIRPORTに僕が入ったというよりは、y0denさんとsonezakiさんをマ肉に持ってきて、「映画の中の出来事」をやりましたみたいな感じがありますね(笑)。

y0den:なるほど、面白いね(笑)。

-y0denさんはマ肉の「Uteruchesis」(2014年リリースの1stアルバム『Uteruchesis』収録)をリミックスしていますね。

にえぬ:その選曲センスは面白いなと思ったんですよ。

y0den:マ肉の中で、かなり異端な曲だと思っているんですけど、全アルバムを聴いてリミックスをどうするか考えたときに、マ肉的な方向性ってたぶんこれ以上できないなというところがあるんですよ、激しさだとか衝撃とかは。一応、APHEX TWINの「Come To Daddy」(1997年リリースのEP『Come To Daddy』収録)みたいにしようかなとか、案はあったんですけど、時間も限られていたんで、自分の得意分野というか想像できそうなリミックスということで「Uteruchesis」を選びました。インストの曲をリミックスするって初めてで、大変でしたね。昔、ちょっとスピリチュアルな、久石譲っぽい曲を作ろうとしていた時期があって、それをここで使ってみようかなと思って作りました。久石譲がシューゲイザーをやっているみたいな(笑)。

にえぬ:っぽいですよね。言われるとわかる(笑)。

y0den:あとは、「Uteruchesis」というのは"子宮(=Uterus)"と"女神(=Lachesis)"を組み合わせた曲名だと言う話を訊いて。"子宮"っていう言葉に変な意味じゃなくて色気を感じているところがあって、NIRVANAの『In Utero』(1993年リリースの3rdアルバム)も大好きだし。SIGUR RÓSの胎児のジャケの『Ágætis Byrjun』(1999年リリースの2ndアルバム)に入っている"ドックンドックン"ってイントロの曲があるんですけど、「Uteruchesis」の原曲も"ドックン"っていう感じで始まるので、そこをイメージしたものを出してみたのと、最初リミックス名を"Grave to Cradle(=墓場からゆりかごまで)"ってタイトルにしたんですけど、ちょっと説教くさい感じになるので、"Marmalade Bilinda Butcher Mix"に変えたんです。わかる人にはわかるという(笑)。

にえぬ:原曲で"ドックンドックン"ってなっているところを、このリミックスは"オギャーオギャー"ってなってるんですが、僕は誕生した感があって好きですね(笑)。この特典CDはふたりのファニーな部分が出ているんじゃないですかね。

-リリース・ツアーも行うということですが、2バンドの共演もありそうですか?

J氏:それはお楽しみということで。

-今後はどんな展開をしていきたいですか?

にえぬ:こういうスプリットの企画は、またどこかでやれたらなと思いますね。それはまたATLANTISかもしれないし、違うバンドかもしれないですけど。

J氏:いい刺激になったからね。シリーズ化できたら楽しいかなって。

にえぬ:それこそ2バンドじゃなくても、Marmalade butcher とATLANTIS AIRPORTにもう1バンド入れてやってもいいかもしれないですね。

-ATLANTIS AIRPORTはふたり編成になって心機一転という感じだと思いますが、今後の活動についてはいかがですか?

y0den:そうですね。脱退(※ベースのBONOが9月で脱退)という形で、今後どうなるんだろうという不安を感じていらっしゃる方も多いと思うんですけど、すごくいいサポート・ベーシストも見つかりましたし。3~4年間やってきて、自分やsonezakiの持ち味もわかってきて、楽曲の方向性も決まってきたので、心配せずにこれからのATLANTISを楽しみにしていてください。新体制でできるATLANTISの楽曲をどんどん作って行きます。"リニューアル工事"をしたATLANTIS AIRPORTを楽しみにしていてください(笑)。