セックスマシーン

INTERVIEW

Japanese

セックスマシーン

2015年07月号掲載

セックスマシーン

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Member：森田剛史 (Vo/Key)　近藤潔 (Gt/Key/Cho)　日野亮 (Ba/Key/Cho)　ケンオガタ (Dr/Key/Cho)

Interviewer：山口智男

－派手に使っているわけではないんですけど、アコギ、ピアノ、オルガンの音色がいいアクセントになっていますよね。「背のびして」は曲もいいんですけど、アコギのジャリジャリしたサウンドも含め、音作りも面白い。

近藤：家で弾いたんでね。ひょっとしたら母親の"うるさーい"って声が入ってるかもしれない。試しにキーボードを弾いたりもしたよね？

森田：うん。最初のころはね。ローズ・ピアノを弾いたりもしたんですけど、アコギが思いの外......思いの外っていうか、"近藤さんアコギ弾けんのや"って言うたんすよ。"上手やね"って。そしたら"ギターやってるんすよ"って言われて（笑）。そんなやりとりしてるときに思いついたんです。歌詞のイメージも今回、夏に出すんで、夏の情景が出てくるものがいいだろうって考えたんですけど。それはアルバムを通してあったんですけど、「背のびして」では夏のかったるい部分を表現したかった。はっぴいえんどの「夏なんです」（1971年作『風街ろまん』収録）が好きなんですよ。そういう曲を、自分たちなりにできたらいいなと思って、ああいう感じになりました。

－アコギはスタジオで弾いたんですよね？

近藤：いや、本当に家で。だから母親の声が。

日野：そこ押すなぁ。

森田："あんたリズム悪い""オブリが弱い"って（笑）。

－「背のびして」含め、いろいろなタイプの曲が入っているんですけど、どれもセクマシらしいと思える、そんなアルバムになったと思います。

森田：自分たちがどういうコミュニティに属しているかわかってなくて。わかってないというか、やってる側はみんな自分らがひとつのものという気持ちがあると思うんですけど、僕らも御多分に洩れず、名前をつけるのはみなさんの勝手ですという感じでやっているんです。もちろん、毎回、今までにないような曲も入れてるつもりなんですけど、それも自分たちの陣地が広がるというか、自分たちのイメージが広がるようにできたらいいなと思ってて。アルバムごとに真逆というか、今までのことはなしにして、毎回、新しいものを作る人たちもいると思うんですけど、僕らはそうではなくて、どんどん塗り絵が広がっていくようなものでありたいと思ってて。だから、今回もそれができてて、それをセクマシっぽいと言ってもらえたなら嬉しいです。

－パンク、ハード・ロック、フォーク、シンセを使ったニュー・ウェイヴ......曲によっていろいろな要素がある。でも、ファンはパンクが好きだからとかハード・ロックが好きだからという理由で聴いているわけではなくて、セクマシが好きだから聴いているんだなってことを、今回、改めて感じました。

森田：そう言ってもらえると嬉しいです、そこをもっともっと意識してやっていきます。

－とても、聴き応えある作品になりましたが、現在やっているツアーのファイナル（7月17日＠大阪umeda AKASO）がこのアルバムのレコ発ライヴになるそうですね？しかもセクマシ史上最大キャパのワンマンだとか。

森田：6～700人ぐらい入るところなので、来た方が自分はヴォーカルなんだっていう自覚と責任感を持って、このバンドの一員としてどう行動していけばいいかってことを啓蒙できるようなライヴにしたいですね（笑）。

日野："人類ゲストボーカル化計画"というタイトリ通りにね。

森田：よく言う楽しいとか踊れるとか汗かけるとかは当然として、その先の......。

近藤：責任感？

オガタ：私が踊りに行かなきゃ、私が歌いに行かなきゃ盛り上がらないよねっていう想いがひとりひとりにあれば最高のライヴになります。

森田：そういう一体感の先に、みんなでがーっと歌い終わった寂しさの中に、またこの次、これをより大きなものにしていきたいと僕らが思っているものを、ぜひ共感していただければ、と。

日野：そのあと、アルバムを引っ提げてのツアーをやります。

森田：それは結構な数やります。

日野：ふだん行けてないところにも行こうと考えているので、ぜひ期待しててください。