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INTERVIEW

Japanese

ふぇのたす

2015年03月号掲載

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Member:みこ (Vo) ヤマモト ショウ (Gt/Syn) 澤“sweets”ミキヒコ (Digital Per)

Interviewer:沖 さやこ

-みこさんを活かすというのは、歌詞もでしょうか?

ヤマモト:歌詞は僕が言いたいメッセージを全面的に表すというよりは、誰が読んでも自分なりの面白さを見つけられるようにと思ってます。僕が世の中に対して思っている疑問やテーマをヒントにして"こういうことを考えたら面白いんじゃない?"と思うものを歌ってもらっているという感じですかね。だからみこさんにはみこさんなりの解釈がそれぞれの曲にあって。

みこ:最初のころは特に、ショウさんから歌詞の内容を軽く説明してもらってた時期もあるんです。その講義を受けるにつれて......。

-講義!?

澤:本当にホワイト・ボードを使って数式を書いたりするんですよ(笑)。

みこ:(インディーズ・デビュー作の)『2013ねん、なつ』ではそうやって講義を受けて(笑)。アインシュタイン方程式の話をされたりして、"あ、そっちから学ばなきゃいけないのか~......大変だなあ!"と思って......それを学んでいくにつれ、なんとなくショウさんの歌詞にまつわる傾向と対策がわかるようになってきて(笑)、それに加えてショウさんはいつも"自分なりの解釈をして欲しい"と言っているので、私もそれを実行して。だからライヴで歌うときも、時間が経つごとに"こうだと思ってたけど、もしかしたらこういうことなのかも!"って、曲に対して思うことが違ったりするんです。それでライヴをすると毎回表情も変わるので、ライヴをずっと観てくれてるお客さんがそれに気づいてくれたりもして。

-ヤマモトさんが書いた歌を、みこさんが自分なりに解釈して、それで歌が毎回変わるなら、それは作曲者冥利に尽きるのでは。

ヤマモト:そうですね、面白いです。ふぇのたすみたいなスタイルでやっていると、僕が全部作ってその通り歌っているように見える瞬間があるかもしれないんですけど、実はそういうことがまったくなくて。わりと各自好きなようにやっていますね。それがいいところにいけば曲になるし、合わないとできあがらない(笑)。

-ヤマモトさんの作る曲はふぇのたす然りそれ以外然り、老若男女問わず響く曲になっているなと思います。

みこ:ああ、確かに。

ヤマモト:たぶん、僕が自分のことを大人でも子供でもないと思っているからだと思います。子供向けだと思ったこともないし、大人向けだと思ったこともないし。結局いい曲は、ちっちゃいころからずっと今も好きですよね。音楽が好きな人にわかって欲しいという気持ちもあるけど、それは......作っているときの自分への言い訳みたいになっちゃうから。やっぱり僕は"誰が聴いてもいいと思うもの"に魅力がある気がしています。一部の人にしかわからない曲は、あんまり面白くないし。特にメジャーでやっていくならなおさらですね。

みこ:インストアでライヴをやると小さい子が踊ってくれたりするよね。"ふぇのたす"って何度も言っても"へのたす!?"って聞き返してきたおじいちゃんも、最終的にCD買ってくれたり(笑)。

-(笑)ふぇのたすのメジャー・デビューはさらに聴く人の層が広がるためにも、とても意味のあることだと思います。先ほど歌詞にはいろんな意味があるとおっしゃっていましたが、この『PS2015』にもいろんな意味が込められているんですよね。Phenotasの略、Plusの略、Period and startの略、ふぇのたすサイコー!の略などなど......。

ヤマモト:今までリリースしたミニ・アルバムも『2013ねん、なつ』、『胸キュン'14』と年号を入れてきていて、今回もメジャー・デビュー・ミニ・アルバムということで......タイトル会議があったね。

みこ:あったねー。タイトル会議はこれまでも必ずあって。"こんなのがあるんだけど......他にいいのあるかな?"って言われて、一応私たちも案を出すんですけど、結局いつも最初にショウさんが言ったものに決まります(笑)。

ヤマモト:......俺、嫌なやつだな(笑)! 結果、我々がいつ出したCDなのかが一目でわかるものになりました(笑)。でも今回は普遍性も意識したので、年号を入れるのも今回が最後の可能性も大いにあると僕は感じているんです。PSの意味も――僕はよく本を読んだときに"あれ、もしかしてこれはこういう意味なのかな?""あ、自分だけ気づいちゃった!"みたいに思ったとき(笑)、ものすごく嬉しいんですよ。そういうものを常に求めているんで、この"PS"も人によってはまだまだ出てくるんじゃないかなと。でも発信者は俺らなので、俺らもいくつかは意味を考えておかないとね(笑)。

みこ:わたしはふぇのたすの歌詞の中で"あっ、これ自分だけが見つけた!"と思うことがあって、みんなにドヤ顔で"こことここ、かかってますよ!?"みたいに言うと、みんなからは"え、そんなの知ってるよ~"と言われたり、ショウさんに"俺が考えてないわけないでしょ"と言われることがよくあって(笑)。私何事にも気づくのが遅いんですよねえ......。

ヤマモト:でもミキヒコも気づいてないことよくあるよね?


澤:俺はそういうときは気づいてるフリをして"うん、そうだよね~"としれっとしてます(笑)。

-ははははは。ポップでキャッチーな楽曲が多いふぇのたすで、今回Track.4「ファッション戦争」は、ロック寄りのテイストというか。鋭さのある曲ですね。歌詞も深い意味があるのではと。

ヤマモト:もともとの意味は"ファッションで結婚する"みたいな感じで、"戦争をそういうふうに捉えている人がいたら困りますね"、ということですね。でももちろんファッションの曲だと思って聴いてもらってもいいし、恋愛の曲だと思って聴いてもらってもいいし。

-ふぇのたすの曲はすべていろんな含みがありますからね。

ヤマモト:そうですね。だから「ファッション戦争」はちょっとわかりやすいかな。

みこ:わたしは結構この曲では"女同士の壮絶なファッション・バトル"を思い描いて歌ってることが多いかも。

ヤマモト:もちろんそういう意味もある。だって、意味がひとつじゃなきゃいけない理由なんてないですからね。

-そうですね。そういう"様々な意味"は作っている段階からヤマモトさんが考えていらっしゃるということですか?

ヤマモト:あ、もちろんそうです。意味をひとつで作ったことはほとんどないですね。

みこ&澤:さっすが!!

ヤマモト:そうじゃないとやる気がでない(笑)。毎回僕は英詞バージョンとかも考えてるんで、曲によってはドイツ語でも考えたりしてて、ひとつの曲に対していろんなことがやれるな~と思ってて。

みこ:ドイツ語のデモが送られてきたらどうしよう(笑)。