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INTERVIEW

Japanese

LiSA

2014年09月号掲載

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-タイトルはどういう意味なんですか?

これは人の名前なんです。"L"は私のことで、"Miranic"は苗字で。最初は"犯人"という意味の"criminal"を文字って、暗号みたいなタイトルを作りたくて。それから"L.Miranic"という響きが出てきて、こうなりました。犯人はL.Miranic。歌詞で"犯人はアタシじゃない"と言っているけど、本当の犯人は自分自身、というオチですね。もう少し若かったら"あんたのせいよ!"って書けたと思うんですけど、もう割と大人なので(笑)。

-ははは。"相手に対する配慮が足りなかったな、こうやっておけば良かったな"と思い返すこと、ありますよね。

私は"PiNK"のLiSAでいたいという思いが強いので、家に帰ったときに"ああ、あんなこといっちゃったな......"と悔しい思いをすることもあるんです。それで"全部自分のせいなんだよな"と反省して。そういう気持ちをそのまま書けたらいいなと思って。自分のワガママが爆発しちゃって、全部人のせいにしちゃう。そういう感情の流れですね。でも"都合良く全部キミのせいにして"という歌詞も、本当は全部自分が悪いとわかってるからこその言葉で。

-わたしは特に近くて大事な人には甘えが出て我儘になりがちなので、「L.Miranic」は気を付けなきゃなと思ういい機会になりました。

そういう曲になったらいいなと思います。全部人のせいにした曲を聴いて"そうそう、わかる! ああいうときあいつムカつくよね!"じゃなくて......本当は悪いのは自分だった。そういうことに気付ける曲になったらいいですね。

-そしてTrack.3「東京ラヴソング」はLiSAさん作詞作曲で。

この曲の話題、必要ですか(笑)?

-なに言ってるんですか、必要です(笑)。岐阜からいろんな想いを抱えて上京してきたLiSAさんが東京について歌うって、とても大きなことですよ。これはどういうきっかけで生まれた曲なんですか?

これは東京が嫌いです!という気持ちから生まれました(笑)。意味わかんない!ってことがいっぱいあるし。電車で酔っぱらったおじさんはぶつかってくるし、謝んないし、自転車持っていかれるし。岐阜はコンビニすら駐車場めちゃくちゃでかいのになんで東京はお金取られるの!?とか(笑)。

-歌詞に書いてあることそのままですね(笑)。

岐阜を離れたからこそ岐阜の大切さがわかったけれど、岐阜に帰ったときに東京の良さを感じることもあって。それはやっぱり、今、自分を求めてくれる人が東京にたくさんいることなんですよね。こうやってインタビューしていただいたり、今回みたいにめざましライブに出られたり、東京を中心に全国へと発信していけて。私は東京という場所はすごく好きじゃないけれど、東京にいる人たちがすごく好きなんですよね。ここがもしゴミばかりの場所だとしても、ここにいる人が好きで、ここでしかできないことがあって。ただそれだけ。"この人の嫌なところ100あるけど、たった1個のこの笑顔が最高だからちょっと好きなんだよな"みたいな。その"笑顔"というのが、東京にいる人なんですよね。

-信頼している人がいる場所が、自分の居場所であったりもしますからね。

PiNKとBLACKでLiSAという人を見せるなかで"この人たちがいるこの場所が好き"という気持ちを書きました。ライヴに来てくれる人や、LiSAという人間を見てくれる人はきっとこの「東京ラヴソング」を聴いたらププッとなるし"あー、あいつこういうやつだよなー"って思うと思う。そういう素直な、等身大のシングルが作りたかったので、最後にこういうユル~い曲を入れました。

-こういうアコースティックなアプローチは、LiSAさんには新鮮でした。

やっぱり私は"音楽"というものが好きなので。岐阜にいたころ三島っち(※cinema staffのベーシスト、三島想平)たちと路上ライヴをやって、誰が歌うとかは決めずに順々に歌ったり、ギターを弾いたり。そういう音楽の楽しさというか、"なんとなくセッションしたらいいのができちゃったね!"みたいな、その場で起きる革命というか。そういうものが好きで音楽をやっていたし。この曲もいつもレコーディングで参加してくれてるメンバーみんなと1発録りをして。そもそものコミュニケーションや信頼関係がすごくある状態でやっているので、そういう空気が伝わったらいいなと思います。

-LiSAさんの音楽は、多くのかたがたとの信頼関係で成り立っているんですね。

すべては人ですね。私には音楽しかなくて、それで必要としてくれる人がいて。それを一緒に好きだと言ってくれる人がいて......だからLiSAという人は音楽ができているし、歌が歌えているんだと思います。"もっと俺の歌を聴け!"って言えるくらいの自信があれば、もっと無敵になれるんだろうけど、私はその人たちのために歌いたいと思うし、自分を必要としてくれる人がいるからやりたいとも思うし。だから本当に(人との信頼関係は自分のエネルギーの)源だと思いますね。

-来年の1月には"LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~"と題した、日本武道館2days公演が決定しています。

今年1月の武道館で自分の弱さを認められるようになったので、どんな1日でも"今日はいい日だっ"と言えるLiSAのライヴになればいいなと思っています。それには"今日はどうなってもいい日だっ""どんなライヴになったって今日はいい日なんだよ?"という伏線もあったりして......(笑)。最後笑えたらそれでいいんじゃないかな?って。少し肩の力が抜けた感じというか。それは勿論手を抜くということではなく、何かハプニングがあったときに柔軟に対応できる力がついてきたんですよね。かっこよくキメる以外のことができるようになったよ、というのも含めて、それぞれ"いちごドーナツ""ちょこドーナツ"と分けて、ポップな日とロックな日。どちらもあるからこそLiSAなんだな、どちらもあるからこそ今日はいい日なんだな、と思える2日間が作れたらいいなと思っています。"いちごドーナツ""ちょこドーナツ"どっちも期待しかしないでね!