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INTERVIEW

Japanese

阿部真央

2014年05月号掲載

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-たくさんのサポート・ミュージシャンさんやプロデューサーさんとの作業が多いと思いますが、それで得た経験や教訓などはどのようなものでしょうか。

やっぱりなにかを一緒にするのにいちばん大事なのは人柄、ということですね(笑)。あの人は演奏上手だけどちょっと話が合わないんだよねー......みたいな人はやってもらわないですね。ツアーみたいな長い期間になるともっとそれが大事で。わたしはどっちかというと音がいいからだけでは割り切れない人間なんだなって。どういう人とやるにも、どこの場所で仕事をするにも、人柄はまず見ようと思っています。あともうひとつ得たのは、自分はあんまりぎゃーぎゃー口出ししないほうがいい。やっぱり餅は餅屋。畑があって、みんなそこのプロなので任せて。"自分は今までこういうことをしたことがないからやらない"とか、"こういうイメージはわたしにはないからNO"とか、そういうことではなく。"あ、こういう発想はなかったけど、いいな"と思ったものは生かしていきたい。

-おお、とても柔軟性がおありで。

出てきました。

-最初はそうでもなかったんですか?

最初はわたしがガチガチに"ここはこうです!"と言っていないと、どんどん違う方向に行ってしまいそうで。すごく神経質になっていました。それはセルフ・プロデュースをするようになった4枚目(2012年6月リリース『戦いは終わらない』)がいちばんそうだったかもしれない。そういうのは1年でだいぶ、角が取れました。

-それだけ任せられるような人たちと一緒にお仕事ができるようになったんですね。自分の弾き語りから、他の人の手が入って違う音になっていく感覚とは?

いちばん最初は"ああ、わたし本当にデビューするんだな"と実感して。そうしていると徐々に"もっとこうしたい"という欲が出てきて。たとえば"あのアーティストはこうしているのに、どうしてわたしのところはこうなの?""あの人たちはバンドでこういう音が出ているのに、わたしのところはこうなの?"とか。それで話し合いの時期に入って......いいのか悪いのかわかんないですけど、今はバンドになったときを想像して作ることが多いので自然な流れなんですよね。だから逆に、アコギ1本で「Believe in yourself」をやって、みんなそれで満足してくれるのかな?って不安もちょっとあって。

-5月に行われるZepp での対バンツアー、阿部さんのステージは弾き語りなんですよね。あのキャパシティで弾き語りを行うことにも驚きました。とても勇気が必要なのでは。

経験かなと思って。周りの人は"阿部真央の弾き語りいいよ!"と言いますよね。でもわたしは......自分の弾き語りが本当にいいものなのかどうなのかがよくわかんない(笑)。バンドのほうがいいんじゃないかな......と思ったりもするし。でも、歌が聴きたい人は弾き語りのほうがいいと思うんで、そういう人が来てくれたら嬉しいです。自分の弾き語りに関してはそう思いますけど、この前シンガー・ソングライターの山崎ハコさんのライヴ音源をiTunesで買って......いや、ハコさんの弾き語りはいい!と思って。"こういう風になれたらそりゃあかっこいいわ、こんな風になりたい"と思いました。だからこのツアーはそこに向かうための道なんでしょうね。そういう目標ができたので、頑張らないとなと思っています。

-阿部さんは曲によって歌いかたをがらりと変えるヴォーカリストでいらっしゃって、「Believe in yourself」は可愛くて強い女性のイメージがありました。

これは結構考えましたね。自分が歌えば自分の歌になると思っているんですけど、この曲はタイアップがついているから、TVが流れたときのことを考えて。"子供も見るから、あんまり癖があったりドスが効いてると歌が入ってこないだろうな""TVはキーが高いほうが音が抜けるしな"とかいろいろ考えて、ハイも出るんだけど、そんなに甘くない元気めの声かな、みたいな。あと声質ではなく歌いかたでちょっと変えるのがいいかなと思いました。

-ヴォーカルのディレクションもご自分でなさっているんですね。

何度も聴き返して"もう1回"って何度もやってます(笑)。