Japanese
downy
2014年04月号掲載
Member:青木 ロビン (Vo/Gt)
Interviewer:沖 さやこ
-気鋭のレーベル"術ノ穴"を主宰するFragmentがホストとなり今回のリミックス・アルバムが完成しました。リミックスで他のアーティストと絡むというのは、一緒に演奏するなどのコラボレーションとはまた違った距離感だと思うのですが、皆さんとは親交がおありだったんですか?
まずはFragmentですね。沖縄は環境上、DJの方々がよくいらっしゃるんですよ。呼び屋もしっかり人たちがいて、マイク1本持ってくればできるというのもあって外国から来る人もいるので、クラブ・シーンは割と盛り上がっていて。僕の仲のいいオーガナイザーのかたが"Fragmentのふたりがdownyのことを好きだ"と言っていて。その人がFragmentを呼んだとき"Fragmentっていうかっこいい人たちが来てるんだよ。向こうも会ったら喜ぶと思うから気が向いたらおいでよ"って言ってくれて、ほんとなんとなく僕も気が向いたんでしょうね、行って脅かしてやれーって(笑)。
-(笑)
そこで会ってみたらすごくいい人たちで、ライヴも良くて。そのときはまだdownyを再開することは決まってなかったんですけど、音楽ぼちぼちやっていこうと作り始めているときだったので、リミックスなどの話にもなって、向こうもやりたいと言ってくれて。"本当にやることになったらお願いすると思うからよろしくね"って別れて、彼らも音源が出来るたびに送ってくれて、downyもアルバムを出して、向こうもライヴを見に来てくれて。いざやろうとなったときに......僕も人様のリミックスをして出したことがないので、どういう風に渡すか、どういう形がいいのか、そういうことをFragmentが相談に乗ってくれて、人選もある程度してくれて。今回リミックスしてくれた人たちは基本的にdownyのことを好きでいてくれる人たちが軸になっているんですけど、downy側がやってほしい人だったり、GeskiaくんとかSUNNOVAくん、Ametsubくんとか、Fragmentがホストというかアドヴァイザー的な感じで立ってくれたお陰で出会えた人もいますし、同じレーベルのかただったり。会ったことない人もいっぱいいるんですけどね。
-Fragmentのおふたりにそれだけ任せられた理由というのは?
彼らはレーベルも自分たちで運営していて、そのレーベルもすごく面白い人たちがやっているという意味も含めて、単純に僕もいちファンとして彼らのことが好きなんですよ。すごくプロフェッショナルなリミックスをやっているので――downyは僕らだけでも5人いるし、まとめ役としていてくれたほうが話がしやすいんじゃないかなと思って。ものすごくプレッシャーだったみたいですけど(笑)、僕は信頼していたんで。いい奴らだし。あと、やるって言ってくれたし、やると言ったらやる人たちなので、いろいろと窓口になってやってくれました。
-downyがこれだけ他者の手を入れるというのも驚きました。
今まではできなかったんですけど、できるようになりましたね。好きなものを作ってもらって、文句の言いようがない(笑)。ジャケットも「春と修羅」のPVを作ってくれたlenoが作ってくれて。みんなが応えてくれるのも、それもこうやって僕らが活動してきたこともあるのかもしれないですね。
-downyはエレクトロニカの要素とバンドとしての肉体的な要素が同居しているバンドですが、リミックスではそのエレクトロニカの側面がフィーチャーされた内容のものが多いですね。
自ずとそうなるだろうなとは思ってましたし......僕らは活動休止前も"ライヴハウスでライヴをやるのがバンド"という括り自体興味がなくて。対バンもDJだったり、THA BLUE HERBだったりとか。僕はクラブ・ミュージック主体の人間なので、その文化として映像を使っているのもそうなんですけど(※downyには映像担当のメンバーが在籍している)、どっちでもいいじゃんっていうノリがもともとあるんです。でも割とリスナーってそうばかりでもなくて、バンドを好きな人はバンドという人も多いので。だからクラブ・ミュージックを好きな人たちがこれを聴いてdownyの新作に繋がってくれたらいいし、バンド音楽が好きな人たちがクラブ・ミュージックや彼らの名前を知るいいきっかけになってくれればいいなと。僕らはジャンルレスという立場でいたいというか。僕らは佇まいとして......Fragmentとの出会いも含めてですけど、その間口を点にしたくない。いつでもどこでやっても、僕らは自分たちの音楽ができるという自負がある。ロック・バンドだとは思ってるんですけど、1個の場所に留まりたくはないんですよね。自由にやれたらいいなと思っています。
-その理由とは?
なんなんでしょうね、メンバー全員、downyの場合は最初からそういうコンセプトでいるんですよね。なぜかdownyの場合だけは(笑)。これはNoというものを出していくとこうなっていくというか。不思議と。僕もなんでかわからないんですけど、9年ぶりに音源を作ってもそうなったので、この面子が集まるとそうなっていくんでしょうね。zezeco(青木ロビンがテクノ・アーティストManukanと組んでいるユニット)は完全に打ち込みなので、zezecoはクラブでしかできないんですけど、downyは独特というか。だからこそリミックス・アルバムでこういう面子が集まってくれたのもあると思いますね。リミキサー陣はみんな一線でやっている人たちなので、よくこの面子が集まったなぁと思いつつ、皆さんdowny好きでいてくれて快諾してくれて。本当に有り難いです。
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