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INTERVIEW

Japanese

映画で見た少女

 

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Member:井出 和幸(Vo/Gt) 谷 浩太朗(Gt) 奥居 俊平(Ba)

Interviewer:沖 さやこ

-相反する部分というので、いちばん分かり易く表れているのは、ジャケットや「気球クラブ、その後」のMVでも取り入れられていた"白"と"黒"だと思いました。これは"静寂の轟音"とリンクするものでしょうか?

井出:そうですね。僕は極端なものが好きなので、ジャケットもMVも意図的に表現しました。MVの白と黒はそれこそ静寂と轟音を映像で映したいなと思って作りました。

-井出さんが監督を務めた「気球クラブ、その後」のMVは可憐さと破壊的な部分があり、柔らかさと鋭さを感じるものでした。

井出:コンセプトは"生と死"ですね。映したいのは破壊的な映像だったので、それを際立たせるために柔らかい映像をたくさん作りました。僕の中で設定や脚本のようなものはあるのですが、それをほとんど女優のアリスムカイデさんに伝えずに撮ることで、新しいものが生まれると思いやりました。しかしこの"伝えないで撮る"ってやりかたは普通ありえないので、当日かなり苦戦して。アリスムカイデさんには長時間の撮影など大変な思いをさせてしまい申し訳ないことをしました(笑)。監督としてはカメラマンとスタッフに事前に説明していた部分もあるので、撮影当日は主に撮りたいカットの説明とADみたいなことしかしてないです。撮った映像の決定権があるぐらいですね、如何せん素人なので(笑)。
ただ編集の時の方が大変でものすごく時間がかかりました。撮った素材をどう組み合わせるかは僕しか知らないので、そこで頭の中のものと現実のものを見てやっていった感じですね。終わった時は二度と監督なんかやりたくないと思いましたが今は2ヶ月ぐらい経ってまた何か撮りたいと少し思うようになりました(笑)。

-MV制作は音を別観点からスケッチするような作業でしょうか? それとも音の世界をそのまま掬い取るような作業でしょうか?

井出:曲や歌詞の内容と映像は大まかなところでしかリンクしていないです。歌詞は限定的なものにしたくないので基本的に抽象的な表現にしています。こういうのはあまり言いたくないのですが、僕の中で「気球クラブ、その後」はチェルノブイリと福島原発の歌(それのみではないですが)なので、MVの映像は別観点です。

-「世界の終わりの終わり」や「最後の晩餐に君はいない」のように"終わり"を思わせる言葉が多数あります。

井出:終わりは悪いイメージもあるのですが、僕は結構いいイメージがあるので使っています。終わりと始まりは絶対に繋がっていますし、映画の終わりは綺麗であったりするので好きな言葉ですね。これからも何かの"終わり"については曲で表現していきたいです。

-このアルバムを完成させて見えた自信や、課題があれば教えていただけますか。

井出:出来上がったものを聴いて"これは誰がなんと言おうと良い"って思ったのでこのアルバムが出来て今までの活動や楽曲作りへの自信が出ましたね。次のアルバムを作るときは基本的に全て新しい曲でいきたいので、とにかくいい曲をたくさん作らないといけないなと思いました。

谷:昔からやっている曲も少しアレンジ変えて録りなおして、新曲も交えてアルバムとして聴いて、純粋に良いものが作れたと思い、泣き崩れました。

奥居:このアルバムが出来たことで自分自身に対して自信がつきました(笑)。それで映画で見た少女の中でもっといろいろなアプローチをしていけるよう努力します。

-今後の展望などがあれば教えてください。

井出:今はこのアルバムをたくさんの人に聴いてもらえるようにすることしか考えていませんが、リリース後は新しいアルバム作りを常に意識して、単純にもっといろんな人に聴いてもらいたいですね。良くも悪くもいろんな意見を知りたいです。あとは少し大きい会場でライヴがやりたいですね。

谷:まだ行ったことのない場所でもライヴが出来ればなと思います。

奥居:自分自身もどうなっていくのか楽しみです。