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INTERVIEW

Overseas

YOUR FAVORITE ENEMIES

 

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Member:Alex Foster (Vo)

Interviewer:石角 友香



ヴォーカルとしては、「From The City To The Ocean」の最後がユニークな瞬間だったと言える。曲の最後の一節、レコーディング直前に紙に書いたとても重要な言葉、僕にとってとても鮮やかで生き生きとしていた言葉を歌っていた時に、そういう深い感情を内に留めておくのが難しくなってきたんだ。“レコーディングを中断するな”のポリシーに従い、僕が生き、経験した瞬間そのままにすることにしたよ。どの曲にも多くのストーリーがあるから、また別のインタビューをしなきゃいけないかもね!特にSkream!マガジンでの最も長いインタビューの記録を打ち破ろうとしているかもしれないから!(トロフィーとかってもらえるの?まだまだ話せるよ!)

-基本的に楽器の音とアンサンブルのみで勝負するスタイルは不変だと思うのですが、バンドがキャリアを重ねてきた今、身につけた表現力の中でも今回、特に打ち出したかった部分はなんでしょう?

「Between Illness & Migration」で、僕らは作詞方法もレコーディング・プロセスも劇的に変えたよ。そうすることは僕らにとって不可欠だったんだ。というのもアルバムの本質が、野望ではなく、直感によって特徴づけられて欲しいと思っていたからね。「Vague Souvenir」はそのすべてをライヴでレコーディングしたんだけど、歌詞は以前と変わらず、ベンと僕で書いたんだ。でもこの新しいアルバムでは、すべてのリスクを負って、全力を注ぎたかった。僕らはみんな、それが完全に悲惨なことになるかもしれないと分かっていたよ。このように劇的に変えることが完全な悪夢に、そしてバンドの終わりになるかもしれないということを分かっていたんだ。そして率直に言うと、レコーディング・プロセスでそういうことが起きたんだよ!でもそういうリスクを僕らは取りたかった。現状維持も、快適なゾーンも、安全ネットもなしで。何となく、このアルバムを完成させるためには、“全てか無か”というタイプの解放や、“やるか死ぬか”というタイプのプロセスが必要だと分かっていたんだ。そして本音を話すと、僕らみんなが、ここ数年一生懸命築き上げて来たすべてを犠牲にする準備をしなければいけないと分かっていた。僕らは心地良さをすべて取り除いた。アルバム制作初日から、Sefと僕はあやうく拳でのケンカになりそうだったんだ…(Sefは今も自分が勝っていただろうと信じているよ。まぁ、みんな心の中に幻想が少し残っているよね!Sefは僕をボコボコにしていただろうと思うよ…笑)あれは過剰で、そうでなきゃいけなかった。でも続けるという決意が僕らをより近づけ、1つにしたんだ。突然、音楽はまた危ういものとなった。僕は特にアートと創作に関して、事前に組まれた様式を嫌うからね。でも「Between Illness & Migration」を生んだ全ての瞬間が好きだったよ。このアルバムはバンドがノイズへと解放し、音素と言葉的なバベルの世界へと現れる前に、ノイズ自体がフィードバックへと消える、そういうサウンドなんだ…その精神はアルバムにあるすべての曲に体現されているよ。

-ちなみにアルバムタイトルに込めた思いとは?シリアスなものですか?もしかしたらバンド活動につきもののナーヴァスになることの原因だったりしますか?

シリアスになり得るよ。どれだけ自分を与えられるかという、個人的な関わりの程度によってね。『Between Illness & Migration』はその本質から言って、個人的な旅なんだ。でも人生のある時点で、僕らみんなが通る道なんだよ。だからその真髄は全体的なものなんだ。親密であるのと同じくらい、共有のものなんだ。それがアルバムの様々に異なる感情を完璧に描写してくれているよ。『Between Illness & Migration』に存在するものは、自分の人生をどう生きるかの個人的な方法なんだ。それは信念になり得るかもしれないし、希望や不安、自暴自棄などにもなり得るだろう。でも『Between Illness And Migration』にある心と魂の状態がどんなものであれ、僕らはみんな変遷という、人生に再びチャンスを掴むという自由まであと一歩のところなんだ。

-SNSを通じて草の根的に支持を増やしてきたYOUR FAVORITE ENEMIESですが、今回は日本デビュー盤が日本のメジャー・レーベルからリリースされることもあり、恐らくまだCDショップが世界でも多い部類の日本では店頭で知ったり、メディアで紹介されることも増えると思います。そこに期待する部分はありますか?そしてこれまでと変わらない部分があるとしたら、それも教えてください。

正直言って、このような機会を得られることは、僕らにとって本当に特権的なことなんだ。僕らはいつもコミュニティの価値に忠実だったし、測りにかけられないほど大切な友人たちがいる。僕らはそれを当然のこととして受け取ったことはないし、僕らが彼らに何かしてあげたとも思ったことない。僕らはいつも、ずっと誠実に支えてくれる人々に敬意を示すため、休むことなく働いて来た。だから新しいファンを迎え、永遠に続く友情を築くことは、本当に特権のようなことなんだ。僕らは本当に常に人々の側にいた。僕が兄弟、姉妹、友人、ファン、サポーター、そして愛する人々全員と交流をしに、日本に帰るのが待ちきれないよ…そうさ、ホームに帰るのが待ちきれないんだ!!!

-では最後に日本のファン、そしてこれから出会うかも知れないリスナーにメッセージをお願いします。

僕を親愛なる友人、兄弟として迎えてくれる人々に感謝の気持ちを伝えたい。それは僕にとって言い表せないほどの特権であり、君がこのアルバムを聴いたときに、僕が忠実さを持って君を支えたいと思っていることを喜んで欲しいと、誠実に願うよ。僕が深く絶望していた時に、君の心強い愛情が僕を何度も救ってくれたんだ。『Between Illness & Migration』のすべての曲や言葉に、君が平穏と信頼を見つけられますように…すぐに会おう、約束だよ!