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INTERVIEW

Japanese

ザ・クロマニヨンズ

2013年01月号掲載

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Member:甲本 ヒロト (Vo) 真島 昌利 (Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-今作に入っている曲はどういうときにできたものですか?

真島:憶えてないなぁ(笑)。

甲本:憶えてないねぇ。何が入ってましたっけ(笑)。

-はははは(笑)。

甲本:曲名をじっと見れば思い出すかなぁって思ったんですけど......(と言いながら紙資料のトラックリストを見るが)憶えてねえや、本当に(笑)。

-(笑)。ひらめく、ということは曲は悩んだりせずすらすらと書けるのでしょうか。

真島:あんま悩まないけど、1番悩むのは最終段階かな。みんなに持っていく前に歌詞とか。ちょっとした細かいことなんですけど。てにをはだったり。

甲本:そうそうそう! そこで客観視するんだよね。"これ人に聴かせたらどうなんだろう?"とか。誰にも聴かせない状態で、ひとりで作った曲があるじゃない? それを明日スタジオ持って行くのに......って。

真島:そこで初めて他人の耳を意識するんです。

甲本:そこで引っ込めちゃう曲もあれば、何とかしよう!って思う曲もあればいろいろ。

-"何とかしよう"と思う曲にポイントはありますか?

甲本:それも、そのときそのときの感じですね。決まったことはない。ただなんとなくすっげぇいい曲だって自分では思うんだけど、何かもうちょっとしたほうがええ! って思うんですよね、その瞬間。どうしてだかわかんないけど思ってて、一晩中考えたり......っていうこともあります。

-お話お伺いしていると、おふたりは感覚的に似てらっしゃるんでしょうね。

甲本:僕は他人の歌を歌ったことが、マーシーの曲以外歌ったことがほとんどないんですよ。自分でも、どっちの曲なのかわかんなくなってる。マーシーは自分でここ(口)に乗っけて僕の曲をフルで歌うことは滅多にないけど、僕は年中マーシーの曲を、自分の歌と同じくらい年がら年中歌ってるから余計わかんなくなってると思うよ。

真島:インプットするものが似てるから、アウトプットも似てるものが出てくるんじゃないですかね。あんまりずれない。

甲本:毎日おんなじご飯を同じ時間に食べてたら同じウンコ出るかもね。......人間はみんな違うと思います。でも、人間はみんな同じだとも思うし。そこはよくわからないんですけど。同じ年代に同じ音楽を聴いているとか、同じような映画、テレビ番組を見ている、同時代に生きていればよくあることですよ。そういうことじゃないかな。

真島:(自分も甲本も)ロックンロールっていうものをスタイルでは見ないよね。そんなことも当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないけど、結構そういうスタイルに惑わされてる......っていうのかな。こだわっている人がこの世の中には僕は見受けられると思うんだけど。

甲本:こういうスタイルのものしか聴かない、こういうサウンドしか好きじゃないとかね。そういう人もいる。

真島:ひとりでやってる、例えばRobert Johnsonとか、アコースティック・ギター1本じゃないですか。SEX PISTOLSとかTHE ROLLING STONESとかさ、ああいうバンドでさ。でもそれこそBob MarleyとかBob Dylanとか、全部おんなじ、ロックンロールじゃーん! っていうかさ(笑)。そういう感覚。

甲本:表面的なスタイルが違うだけでね。ひと皮剥けばみんな同じですよ。

-今回のレコーディングで再確認したバンドの1面などはありますか?

真島:今回っていうわけではなくて毎回レコーディングとかツアーでも思うんだけど、コビー(小林勝・Ba)とカツジ(桐田勝治・Dr)って凄いなぁって。人として持ってるポテンシャルの高さがね。

甲本:演奏面だけじゃなくね。

真島:本当に、この4人でやっていると楽しいなぁ。凄く楽しい。で、ツアーやるごとに、レコーディングやるごとに、どんどん良くなってる感じはある。

甲本:なるねぇ!

-今回も最初から最後まで通して何度も聴けちゃういいアルバムだと思います。シンプルでストレートで混じりけのない音がクロマニヨンズの魅力だとわたしは思っているのですが、音楽の前では素直でありたい、などそういう思いはありますか?

真島:そういうことを意識したこともないなぁ。

甲本:何にもないよ。頑張ってる感じとか、目指す形がないですね。(そういうものに)必要を感じたことがないです。......何でかな(笑)? 俺最近自分では、ロックンロール・ボンボンだなぁって思ってるんです。ロックンロールにおいて苦労知らず。どっかで誰かが僕らを甘やかしてるんだよ(笑)。僕らを音楽から無理やり引き離そうとする意地の悪い人もいないしね。

-今作も全部アナログで録音されてるんですよね。

甲本:全曲テープ・レコーダーで録音したよ。

-「人間マッハ」はタイトル通りスピード感がある曲ですね。"のろまな時代に うまれてしまった 俺には時間が 止まって見える"っていう歌詞がぴったりだと思います。

甲本:あれが気にくわないんだよ。最近、ゆっくり、スローなんとかとか、ゆっくり生きるとかそういうのがええ、みたいな。そんなんが嫌だ(笑)。いらいらして生きていきたい。朗らかだけど(笑)、いらいらして生きていきたい。そのくらいが丁度いい。あんまり落ち着きたくないですね。