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INTERVIEW

Overseas

MYSTERY JETS

2012年05月号掲載

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Member:Kapil Trivedi (Dr)

Interviewer:平野 スミオ

 

-約2年ぶりの新作『Radlands』のリリースおめでとうございます。今作の制作にあたり、前作での反響やバンドとして得た手応えを踏まえて、何か特別なテーマを持って臨まれたのでしょうか?

前作の『Serotonin』でバンドとしてワン・サイクルを終了した感があったんだ。3枚アルバムを出して、自分たちなりのやり方ってものも出来た。だからこそ地元や家族、彼女とのイザコザも一切合財後にして、夢の大陸アメリカに行かなくちゃって思ったのも事実さ。テキサス入りする前は特にコレってテーマもなかったんだけど、なんせ外国でのレコーディングだから持って行けた楽器にも限りがあって、そのおかげでアルバムのサウンドが自然と固まったとも言えるね。テキサスでのレコーディングから何ヶ月かしてロンドンに戻ってきて、どの曲もEmmerson Lonestarを主人公にした物語についての歌だってことに気づいたんだ。それでMYSTERY JETS初のコンセプト・アルバムが誕生したんだ!!!

-作品名はTerrence Malick監督映画の"Badlands"とKeith Richardsの住む英サセックスの"Redlands"を掛けわせた造語だと頂いた資料にあり、大変ユニークだと感じました。この2つの言葉を引き合わせたキッカケは何だったのでしょうか?

よく知ってるじゃ~ん! でも『Radlands』はもともとテキサスで僕らが寝泊まりした家の名前だよ。そこで録音もしたし、たまには風呂にも入った。『Radlands』にはレコーディングに必要だった全ての要素が揃っていたんだ。4人のいい歳した男が寝食を共にするなんて、ある意味とっても新鮮な体験だろ? あそこには特別な思い入れがあるんだ。

-これまでのイギリスではなく、初めてアメリカはオースティンにてレコーディングを行われたとのことで、冒頭曲「Radlands」の叙情的なサビなどからもブルースやカントリーの影響が色濃く表現されていると感じました。以前から、そのような音楽に興味をお持ちだったのでしょうか?

僕個人はもともとTHE METERSやEddie Boを始め、ニューオーリンズ・ミュージックの大ファンだけれど、とにかくアメリカに行ったら向こうの文化にどっぷり漬かるってみんな固く心に誓っていたんだ。だってアメリカまで行ってロンドンっぽいアルバム作るなんてナンセンスじゃん? とにかく手当たり次第、向こうの音楽を聴きまくった。Neil Young、CROSBY, STILLS & NASH、THE DOOBIE BROTHERS、それからCass McCombs! 最高だよね!

-そして作品全体に流れる牧歌的かつクラシックな渋さを含んだ独特な空気感が大変心地良かったのですが、やはりレコーディングを行なった環境から得た影響が表現されたものでしょうか?

そうだね、テキサスって土地の影響は強かったと思う。それからこのアルバムは初めてプロデューサーの手を借りずに作ったんだけれど、それも重大な要因だったね。自分たち自身、よくそんな思い切ったことしたなって今更ながらに思うよ。制作の過程で全員が平等の発言権を持つって確かに素晴らしいことだし、そのおかげでサウンドがグッと豊かになったとは思うけど、一方で良質なプロデューサーの大切さも再認識した。互いに尊重し合ったとしても、4人が同時に主導権を握ろうとするのは結構きっついもんだよ。

-今作はFRANZ FERDINAND、THE KILLSなどを手がけるDan Careyとの共同作業にて仕上げたそうですね。個人的にはサイケデリックやプログレッシヴなどのコアなジャンルを消化しつつもポップでキャッチーなサビが際立つオリジナリティ溢れた作品という印象を受けました。彼が作品へ与えた影響は何だと感じていますか?

テキサスで自分たちだけで25曲ぐらいレコーディングをして、確かにMYSTERY JETSの新たな方向性を示す曲ができたなって思ったんだけれど、もっと発展させる必要性を感じたんだ。僕らの方向性を理解しつつ、更なる未知の領域にアイディアをガイドしてくれるようなプロデューサーって意味で、Danはピッタリの人物だったね。