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INTERVIEW

Overseas

GARBAGE

2012年05月号掲載

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Member:Shirley Manson(Vo),Butch Vig(Dr&Loops)

Interviewer:新谷 洋子


-サウンド面では、前作で控えめだったエレクトロニックで実験的な側面が再び前面に押し出されていますよね。しかも、ノイズやテクスチュア作りにすごくこだわっていて、従来以上にシネマティックな仕上がりでは?

そうね。昔から多くの人が私たちの音楽を“シネマティック”と表現してきたし、実際そうだと思うわ。 私たちは映画や映画音楽、映画音楽が包含し得る幅広い世界に、すごくインスパイアされるの。昨今のポップ・ミュージックを見ていると、本当に視野が狭くて、ミュージシャンたちはほんの僅かな部分しか掘り下げていないけれど、このバンドでは自分たちが表現したい音楽を前面に押し出す上で、極めて幅広く折衷的な世界観に則って取り組んでいるの。そして究極的に私たちは、空気感ってものが好きなのよ。それが私たちのサウンドの大きな部分を占めているの。

-あなたも今や、多くの若いアーティストにお手本視されていますよね。最近、GARBAGEを影響源に挙げるアーティストをよく目にする気がします。

たまに音楽を聴いていて“あ、それって私たちに学んだのね”とか“そのテクは私たちから盗んだでしょ”って勘づくことがあるわ(笑)。大勢の若いパフォーマーが私たちの音楽から受けた影響の大きさを語ってくれていて、本当に恵まれていると思うの。Lady GagaやKaty Perryから、THE JOY FORMIDABLEみたいな、よりアンダーグラウンドなアーティストに至るまでね。みんな素晴らしいアーティストだし、ほかの人たちの人生においてそういう役を担えるなんて、大変な名誉だと思うわ。なぜって、私にとって憧れの女性アーティストたちがどれほど大切な存在だったか覚えているから。自分が同じような存在になれるなんて、誰かに心に触れて夢を実現できるようにインスパイアするなんて信じられないことだし、本当に素晴らしいわ。


【Butch Vig(Dr&Loops) インタビュー】

-新作はものすごく若々しくて挑戦的な音でビックリしたんですが、7年ぶりのアルバムに取り掛かるにあたって、個人的に暖めていたアイディアはあったんですか?

僕個人にとってこのアルバムに大きな影響を及ぼした要素というのは、FOO FIGHTERSとのレコーディングなんだよ。彼らの最新作『Wasting Light』を僕はプロデュースしたんだけれど、あのアルバムはアナログ・テープで録音したから、一切修正が効かなかったんだ。ProToolsを使えば声をオート・チューンでいじったり、音をあちこちに動かしたりできるよね。でもアナログ方式だと、全てはパフォーマンスにかかってくるんだ。そのことを、アルバムに着手した際に話したんだよ。あまり細かいことを気にしないってことが重要なんじゃないかってね。とにかくあれこれ考えずに音楽と正面から向き合って、ナマなパフォーマンスを重視しようと思ったんだ。Shirleyにしても、ソファに座って、マイクを手で握ってヴォーカルを録音した曲が幾つかあるよ。そして僕のドラムも、曲によっては自宅のホーム・スタジオで録音したんだ。ホーム・スタジオというのは、要するにベッド・ルームであって(笑)、そこに4~5本マイクをセット・アップしただけ。ドラミング自体もすごくシンプルなアプローチで、「Blood for Poppies」や「Big Bright World」なんかは、最低限のテイク数に留めたよ。ミックスについても同じことが言えるね。何でも修正しようとしないで、ボードを満たそうとしたんだ。全ての音が……そう、コンソールから弾け出ているかのような感じにしたかったのさ。おかしな表現かもしれないけれどね。だから、“若々しい”っていうのは僕にとっては褒め言葉だよ。年寄り集団が鳴らしてるようには聴こえない。なぜって僕ら自身、アルバムを作っているとき、年齢を意識しなかったんだ。みんなエネルギーに溢れていたし、本当にエキサイトしていて、そのことが曲から聴こえると思うよ。