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INTERVIEW

Japanese

nano sound museum

2012年04月号掲載

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Member:ナガオタツキ (Vo, Gt & programing)

Interviewer:石角 友香


-意識はあくまでバンドだと。

はい。で、ライヴが暴れる、までいくかどうか自分では判断しかねるんですけど、割とワチャワチャ動きまわってライヴするんですよ。で、その視覚的な音ってすごく重要だと思っていて。止まっている人たちから出ている音と、動きまわってる人たちが出してる音だと、動きまわってる人から出てくる音の方が激しいと思うんですよ。

-たしかに。たとえば9mm Parabellum Bulletがじっとしてライヴやったらあんな音にならないですよね(笑)。

そうですね(笑)、そんなノリです。

-では、nano sound museumはあくまでライヴ・アーティストだという前提がある上で、今回のアルバムで音源としてツノを出すというか、意識した部分はありますか?

ライヴに近いエッジ感を捉えてやったのは1、2曲目ですね( 「ain't nothing but my music」「no escaping」 )。それはライヴで出してる音そのままじゃなく、ライヴで出してる勢いやピーク感をシークエンスとかでどう突き出していくか? という意味で。それはその2曲に詰め込んだ感じですね。

-プログラミングがFAT BOY SLIMなどのビッグ・ビートの全盛期にあった、やりすぎ感に近いものを感じます。

(笑)。ビッグ・ビートに完全にハマるきっかけがJUNKIE XLだったんで。もちろんFAT BOY SLIMとTHE CHEMICAL BROTHERSとUNDERWORLDとTHE PRODIGYっていうのは自分の中で四天王みたいな存在としてあって。どんなにエレクトロ・ハウス聴こうが、もっとお洒落なディープ・ハウスみたいなものを聴こうが、やっぱりビッグ・ビートが大好きなんですよね。分かり易くのれる感じと、スレスレの声ネタ使いとか。ヒップホップも聴いてた時期があるので、ギミックが効いてるものが好きなんですね。もちろん、音選びやアレンジには少なからずビッグ・ビートの影響は出てるんじゃないかなと思います。

-UNDERWORLDとか、ほとんど伝統芸になってきた感じもありますけど、伝統芸でのれるって、もはやロックンロールと一緒なんじゃないかって気がしてきませんか?いい意味でですけど。

そうですね。ちょっと前ぐらいから日本のインディーズ、メジャー問わず、ダンス・ロックみたいなものが割と定着してるじゃないですか。いわゆる四つ打ちのリズムが、もう8ビートと同じ感覚で捉えられるようになってきてるので、それはいいことというか、時代が進んだだけだと捉えてるんですけど。ただ、今ロック・バンドが出すダンス・ビートにあまりルーツを感じないというか、ルーツというには近いところにある感じがしちゃって。

-ああ、四つ打ちやってる他のバンドの影響ですもんね。

そうなんです。なんかもうちょっと深いところで、ダンス・ビートみたいなものを"ロック"っていう自分が持ってるフィルターを通してバーン! と外に出したいんです。バック・ボーンだけは負ける気がしないんで(笑)。

-(笑)。アルバムも畳み掛ける勢いがあって。でもいろんな要素を積み込んでるのに、立体的で風通しがいいですね。

ありがとうございます。自分でもバラッバラな曲を詰めたなって感じなんですよ。でも今回は今までのものを吐き出したかったので、しょうがないというか(笑)。でも唯一言えるとしたら"全部ロックの曲です"っていう、それだけは共通してるって言えます。

-それにしてもnano sound museumというユニット名はストレートですね。

これもタイトル同様、そんなに考えてつけたわけじゃなくて。今のドラムがさっさと自主企画のライヴを決めてきちゃったんで、バンド名決めなきゃいけなくなって(笑)。なんか"sound"って入ってるバンド名がカッコいいなと思ってて。LCD SOUNDSYSTEMとか、日本だとLOCAL SOUND STYLEとか。それで"nano soundっていいな"と。でもそれだけだと語呂も悪いし、そこに何か付けていって"museum"が一番しっくりきたんですね。ほんとは"technology"とかでも良かったんですけど、完全に企業名みたいになっちゃうんで(笑)。