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INTERVIEW

Japanese

SOUL FLOWER UNION

2010年12月号掲載

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Member:中川 敬(Vo&Gt&三線)

Interviewer:西浦 雅人


-続いては「ダンスは機会均等」。

これは今回のアルバムの中で、俺にとってポイント高い曲。96年のアルバム『エレクトロ・アジール・バップ』に入ってる「闇夜の太陽」とかで取り入れたんやけど、一時コリアン・ビートっていうか、朝鮮のチャンゴを軸にビートを作るみたいなことを集中的にやってた時期があって。長い間、ああいうタイプのハチロク(8分の6拍子)からは離れててんけど、たまたま2年くらい前に、自己内再ブームっていうか、“エチオピーク”のCDをしょっちゅう聴いてる時期があって。エチオピアの60~80年代のポップスをコンピレーションしたシリーズで、10年前くらいから始まって今でもリリースが日本盤で続いてるけど。そのシリーズを聴いてると、エチオピアってめちゃくちゃ遠いのに、不思議なことにすっごく似てるんよね、旋律やリズムが河内音頭とか朝鮮民謡に。久しぶりにこのアフロ・リズムで曲を作りたいなって、ふと思って。載せるメロディはコリアンとか日本の昔の演歌調で。早速作り始めて、歌詞を書いてたら、“エチオピア”やん。ああ、“ミトコンドリア・イヴ”みたいな(笑)。そこから人類の旅というか、人の移動、みたいな歌詞にしたら面白いんじゃないかなと。1番は、ホモサピエンスの壮大なる大移動。2番は、コーカソイド、白人によるアメリカ大陸へのネグロイドの奴隷移動。3番は、戦前日本による、いわばコリアン・ディアスポラやね。アレンジも演奏も相当気に入ってるよ。これこそまさにソウル・フラワー・ユニオンって感じがするな。

-「千の名前を持つ女」の前後はこう、時間軸的に同じような感じがしたのですが。

確かにそうやね! まさに最初のセッションで録ったのが、「パンゲア」、「千の名前を持つ女」、「スモッグの底」、「ルーシーの子どもたち」の4曲! 不思議と後半に並んでるよね。今初めて気づいた(笑)。

-その時期の曲が固まってますね。

偶然にもそうやね。今回のアルバム中、録音時期の一番古い4曲。新メンバーとして高木克(Gt)が加入して、まさに克ちゃんと一緒に最初に音出したのは、その4曲のレコーディング・セッション。しかもライヴより先やったんよね。だから今回のアルバムは、高木克加入後の初アルバムやねんな。あまりにも制作時間を共にしたんで気付かんかったけども、改めて考えたらそうなるな。

-すみません、こちらこそ高木克さんが加入しましたねと質問するべきでしたね。

いやいや(笑)。もう2年も経ってて、すっかりメンバーとして溶け込んでるから、俺も忘れちゃうねんね。そのセッションでは、ゲストでパーカッションの美座くんも、初めて参加してもらったり。しかもリクオも入ってたから、美座くんに高木克もいて、“新生ソウル・フラワー・ユニオン”って感じのセッションやったんよね。前作『カンテ・ディアスポラ』を発表したすぐあと。例えば「パンゲア」あたりは、すごく壮大な歌詞の世界になっちゃってるけど、単純にリクオや克ちゃんと一緒にやるんやったら、ちょっと一発、オーソドックスなロックン・ロールをやろうか!みたいなノリで書き始めた曲やねんね。最終的に全然“オーソドックスなロックン・ロール”とは言い難い曲になったけど(笑)。まあ、ソウル・フラワー・ユニオン、元祖ヴィジュアル系やから(笑)、一発グラム・ロック風なのをここらでやっておこうか、みたいな。それにグラム・ロックやから、ちょっと宇宙のことを歌っとこうか、みたいな(笑)。

-(笑)わかりました。で、まぁ最後は「続・死ぬまで生きろ!」で「移動遊園地の夜」っていう形でしまるんですが、全15曲と。これを引っさげてのツアーが4か所ですけれども-

ソウル・フラワー・ユニオンでは12月に東名阪と福岡の4本のワンマンをやって。そのあと1月に、やっぱり地方はなかなか廻れないから、ちょっとリクオに手伝ってもらって、アコースティックで5本かな。俺と高木克とリクオの3人で“ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン”。この9本が今回の『キャンプ・パンゲア』の発売記念ツアーになってるよ。

-これ以外に、ライヴは決まっていますか?

ここ何年もずっと、3月、6月、9月、12月のペースが決まってるから。3月は恒例の“闇鍋音楽祭”。対バン形式の東京2DAYSと大阪2DAYSが決まってるね。あと、2月はソウル・フラワー・モノノケ・サミットの東名阪もやります。多いなあ…。今のところはそこまでかな。うーん、忙しい!(笑)