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INTERVIEW

Overseas

HURTS

2010年11月号掲載

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Member:Theo Hutchcraft (Vo)  Adam Anderson (Syn、Gt、electronics)

Interviewer:伊藤 洋輔

Theo HutchcraftとAdam Andersonの2人によって、マンチェスターにて結成されたエレクトロ・シンセ・ポップ・デュオ“HURTS”。デビュー・アルバム『Happiness』は既に本国イギリスで“今年最も早いペースのセールスを記録しているデビュー作”と評され、ヨーロッパ6カ国ではiTunesチャート1位を記録するなど大きな反響を得ている。さらにTHE DRUMS、DELPHICらと共に、権威あるBBCの『2010年の音』(BBC Sound of 2010/注目の15アーティストが選出)でトップ4に選出され、英音楽ウェブサイトPopjusticeには「21世紀最もグレイトな男性ポップ・デュオであることに疑いの余地はない」とまで言われている。ここ日本でもSUMMMER SONIC2010にて初来日を果たし、注目される中、大歓声で出迎えられ、高い評価を得た。今まさに蕾の状態から大きな花びらを世界に向けて広げようとしている彼ら。しかし、ここまでの道程は決して順風満帆では無かったようだ。時間は遡ってしまうが、SUMMER SONIC出演前日に対面で行った貴重なインタビューを掲載したいと思う。

-まずは現在の心境から聞かせてください。今年に入りBBC SOUND OF 2010 にエントリーされ、こうしてアルバムを完成させワールド・ワイドにデビューが決まった変化をどのように感じているのでしょうか?

Theo Hutchcraft(以下T):正直に話すと嬉しいよ。ワールド・デビューってことは今までにまったく僕たちの音楽を知り得なかった人達にも僕らの音楽が届くってことだろう?こんな幸せなことはないよ。たくさんの人に感謝しているよ。

Adam Anderson(以下A):そうだね。嬉しいことだよ。でもつい最近まで失業保険の支給を受けながら生活していたのに、いきなり注目を浴びて僕らの作ったミュージック・ビデオを気に入ったってことをRick Rubin に電話で熱く語られたりするんだからね。そういう意味では戸惑いもあるよ。

-HURTS のプロフィールについて伺いますが、ふたりの出会いから結成の経緯を教えてください。

A:2005 年のクリスマス前にとあるクラブに友人数人で行ったんだ。そこでTheo と初めて会ったんだよ。その夜は他の友人たちが酔っ払って喧嘩を始めてしまったりと、色々あったんだけど僕はTheo と友人たちが殴り合いをしている横で、音楽について一晩中語りあったんだ。その時は特にPRINCE について語ったのを覚えているよ。それ以降僕はたちは実際に会わずに、インターネットを通じて作曲作業を繰り返し行っていったんだ。

T:本当にやりたいことは何かってことを見失わないようにするため、付き合い方や意思疎通には慎重になっていたんだ。あくまでふたりの音楽的共通性を見出すのが優先だったし、うまくいくようになれば自然と友人になれるものだしね。

-お二人はフォーマルな服装をされていらっしゃいますが、そのスタイルに込められた意味は何なのでしょうか?

A:本当に貧しい生活を送っていて、心底惨めな気持ちになっていたんだ。だからせめて失業手当をもらいに行く時くらいきちんとした格好をしようと思ったんだよね。自分たちの誇りを保つ唯一の方法だったと言ってもいいかな。フォーマルな格好をすると精神も引き締まるし自分の態度にも表れていくものなんだ。

T:だからどんなに暑い夏フェスでもステージではスーツを着るよ!もちろんSUMMER SONIC でも。

-ファッションもそうですが、アートワーク、PV など、独自の美意識を貫いた非常にアート性の強いコンセプトがありますが、現在のスタイルに辿り着いた決定的なターニング・ポイントとは?エピソードがありましたら教えてください。

T:そうだね。決定的なものがあった訳ではなく、徐々に構成されていったと言う方が正しいね。

A:音楽以外でも、アートワーク、アーティスト写真、ミュージック・ビデオなどビジュアル・イメージに関しても、僕達は全て自分たちが関わっているんだ。全てのミュージック・ビデオのストーリーも僕達ふたりが考えているんだ。