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INTERVIEW

Overseas

THESE NEW PURITANS

2010年01月号掲載

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Member:Jack Barmett(Vo&Gt&Com&Sound) Jorge Barmett(Dr&Tapes&Per)

Interviewer:佐々木 健治


-THESE NEW PURITANSの音楽にとって、ビートは凄く重要な要素ですが、今作のビートはよりダイレクトに入り込んでくるように思いました。

Jack:今作の方が、よりアクセスしやすい、とっつきやすいものではあるよね。だけど、前作よりもインパクトが強くて、直接的ということもあるし、エモーショナルだよね。あとは、今回の方がオープンというか・・・柔軟性がある音楽だと思うな。

-今回は、Dave Cooleyがミックスを手がけているそうですが、彼にミックスを依頼することになった経緯を教えて下さい。

Jack:もともと、彼がプロデュースした作品、例えばJ DILLAとかが凄く好きで、インストの部分のソリッドな音作りとかね。今回、アルバムをミックスするのに当たって、HIP HOPやR&Bに関わっている人を使うということはもともとあったんだ。それで、Dave Cooleyはどうだろうってレーベルに話をしてみたら、直接彼に聞いてくれて、やってくれることになったんだ。

-実際に、彼と一緒に仕事をしてどうでしたか?

Jack:最初に「We Want War」をやったんだけど、一曲に七日間もかかったんだよ。ミックスとしては凄く長い時間がかかったんだ。というのも、HIP HOPの場合、大雑把に言えば、ヴォーカルとベースの二つの要素しかミックスするものがないでしょ。でも、自分達の音楽は全くそうじゃないからさ。Dave Cooleyがそこに慣れるまでは時間がかかったな。でも、そこに適応してくれた後は、素晴らしい仕事をしてくれたよ。

-その「We want war」ですが、7分以上もの長尺の曲で、パーカッシヴなナンバーでアルバムの世界観に引き込まれるような曲です。凄くインパクトのある挑発的なタイトルですよね。歌詞を読んでいないので、分からないのですが、これはどういったことを歌った曲なのでしょう?

Jack:タイトルについては、インパクトが強いものはあるよね。実際の戦争というわけではなくて、ある男が想像上の戦争に行くっていう内容ではあるんだけど、是非、歌詞を読んで、曲を聴いて理解してみて欲しいな。

-和太鼓も取り入れていますね。和太鼓はいつ頃、何で耳にしたのですか?

Jack:椎名林檎や『リリー・シュシュのすべて』のサントラとか、日本の音楽は凄く好きなんだよね。和太鼓をいつ聴いたのかは覚えていないけど、和太鼓独特のトーンが好きで、それを取り入れたいと思ったんだよ。

-ナイフを研ぐ音でリズムを刻んでいたり、メロンを割る音を取り入れたり、そういう実験性も高いですが、そういう様々なアイデアを取り入れていますね。

Jack:凄く楽しかったよ。メロンとかスイカ、ビスケットやキャベツを買いに食料品に行ったりね。金物屋でチェーンの音を吟味するのに、いろいろなチェーンを叩いていたら、周りに人が集まってきて、「何をやってんだ、こいつら」みたいな視線を投げてくるんだよね(笑)。

-そういう手法を取り入れようと思ったのは何故でしょう?

Jack:映画のサントラを凄くよく聴いていて、そういう音楽の効果音とか、そういう音って、普通の楽曲ではあまり使われないだろう。それで、何でそういうものを使わないんだろうというところから、取り入れてみることにしたんだよ。

-今作のインスピレーションの一つとして、Britney Spearsを上げられています。少し意外だったのですが、Britney Spearsというアーティストなのか、それはBritney Spearsを始めとするアメリカのオーヴァーグラウンドなポップ・ミュージック全体ということですか?

Jack:やっぱり、Britney Spearsだよ。彼女の『Blackout』っていうアルバムに入っている曲で・・・

Jorge:「Why Should I Be Sad」だよ。

Jack:そうだ。「Why Should I Be Sad」のドラムのキックの音がとにかく素晴らしくてさ。ミックスの時には、その曲を聴かせて、こういう風にやりたいんだって言ったくらいなんだよね。

-そうだったんですね。ちなみに、この『Hidden』は、ライヴで再現するのがとても難しいのではないかと思ったのですが?

Jorge:うん。凄く大変だと思うな。でも、アルバムとは違う楽器を使って、ライヴではやっていく形になるだろうね。実は、日本に来る前に、ロシアでライヴをやってきたんだよ。新曲もやってみたけれど、凄くうまくいったんだ。「We Want War」から始まってね。全体としては、できるだけドラマチックなライヴにしたいと思ってるんだ。

-今後の予定は決まっています?

Jack:もう、次のアルバムの曲を書き始めているし、もちろんツアーもやるよ。日本にもSUMMER SONICとかで来れるといいなって思っているよ。希望だけどね。

-ありがとうございました。