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INTERVIEW

Japanese

BIGMAMA

2009年11月号掲載

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Member:金井政人(Vo&Gt)

Interviewer:杉浦 薫


-金井さんが持っていった原曲から、特にこの曲はかけ離れたな~と感じるのは、どの曲ですか?

「かくれんぼ」ですね。この曲のストーリーと歌詞を、僕は凄く大切にしていたんですね。ただ、楽曲をバンドでアレンジしていく内に「長い」って言われて。色んな部分がカットされて。どうしようと思って、言葉をどんどん削って単純にしていくっていう作業をしたんです。最初は嫌だって言ってたんですけど、結果的に聴いたら「あ、ちょうどいいです。」って思って(笑)。メンバーには申し訳なかったな~って思ったり。

-結果的には金井さんも大満足ということですか?

はい。そうですね。

-これから長いツアーが始まるわけですが、ツアー生活は好きですか?

好きなところもあるし、移動が大変だから好きじゃないって思っちゃう瞬間もありますけど。例えばレコーディングとか、みんなの顔が見えない作業をしていると、なんか意味わかんなくなっちゃう瞬間があるんですけど、いざ日本の端から端までツアーをして、自分達の音楽を聴きに来てくれる人がいるって思った瞬間に、また頑張れるし。そういう意味では凄く楽しみにしているし、助けられている部分もある。そういう意味で、作品を出して、ツアーを回るということは、とても大切なことだなって思っています。

-金沢、長野、広島、岡山は同じレーベルに所属しているSERIAL TV DRAMAとの対バンですが、彼らとは交流が深いのですか?

そうですね。僕達の方が年齢的には下なんですけど、彼らの方が後からレーベルに入ってきて。僕はserial TV dramaの新井君を尊敬しているんです。彼らの新しいアルバムも凄く刺激的だったので、一緒にライヴをやって、お互いに刺激し合える存在になれたらいいなと思っています。

-初めてライヴに行く人たちに、BIGMAMAのライヴの醍醐味を説明するとすると?

あんまり構えて来てほしくはないんですけど、最近は音楽の力を凄く信じるようになっていて。ライヴが終わった後には凄く疲れているかもしれないけど、音楽を聴くことによって、その人の明日や明後日にいい影響を与えられるバンドになれた気がしているんです。だから、そういう気持ちを持っているバンドだっていうことを理解して来てくれたら嬉しいですね。

-もう何年か前にライヴを見させていただいたことがあるのですが、BIGMAMAのライヴに来るお客さんて、エネルギッシュですよね。ダイヴやモッシュもかなりあったという印象なのですが。

そうですね。バンドを始めた当初は英詞でメロディックでっていうのがあったので。
今は少し変化していると思うんですけど、そういう入り口からこういうサウンドになって、その盛り上がりがここまで続いているっていう面白味もあると思うので、そういう風に楽しんでもらえても嬉しいです。

-金井さんの音楽遍歴や、影響を受けたアーティストを教えてください。

小学生くらいの時は普通にJ-POPを聴いていて。ランキングをカウントダウンする番組を見たりしていたんですけど。中学生くらいの時にインディーズの音楽を少し聴くようになって、それはHI-STANDARDだったり、BRAHMANだったり、MONGOL800だったり。
それで高校に入ってから、どっぷり洋楽にハマった時期があって、YELLOWCARDのコピーバンドを始めた。その時は、英詞で歌うのがかっこいい、日本の音楽はダサいと思っていたりしました。
でも、日本でもかっこいいバンドは沢山いるんだっていうことを、ライヴハウスで直に目の当たりにして気付いたという分岐点がありましたね。
あと、日本語で歌う時に、歌詞の書き方や世界観において、BUMP OF CHIKENの藤原さんから影響を受けたっていうのはあると思います。1曲の中に一つのストーリーがあるっていう彼の世界観は、自分が日本語で歌詞を書き出した時に、凄く魅力的なものだなっていうのを再認識する時期がありました。
あと、全然音楽とは離れちゃうんですけど、「ソラニン」を書いている浅野いにおさんの作品は凄く好きですね。ちゃんと本を読んだり、映画を見たりしようと思っていた時期もあったんですけど、あんまり続かなくて。でも浅野さんの作品だけはずっと見ているなと思います。

-浅野いにおさんの作品の、どういう部分にインスパイアされるのですか?

凄く伏線の多い作品を作る方で。作品同士にリンクしている相互作用みたいなものもあるし。それを音楽に近付ける為にはどうしたらいいんだろう?という意味で影響を受けました。

-金井さんが歌詞を書く際の美学とは?

詩を書くのではなくて、歌詞を書きたいというのはありますね。そこに鳴っている音と関連しているものでありたい。楽曲の雰囲気を離さず、壊さず。
例えば、「Lovescape」では、始めのサビでは「今日も地球はお金で廻るよ みんなお金を追いかけているからさ」っていう歌詞から、受付の女の子に恋をする場面があるんですけど、その時楽曲が一瞬ゆったりするんですね。それでどうしようかと考えた時に、恋をしたことにして、「今日から地球は愛で廻るよ 僕があなたを追いかけているからさ」っていうサビになるみたいな。
鳴っている音楽と歌詞をリンクさせたいんです。
音をより音楽にしていく。より楽しめることにしていくことに対して自信があって、こういう道を選んでいるんでしょうね。