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INTERVIEW

Japanese

IDIOT POP

 

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初めて耳にする音楽に抑えられない興奮を覚えたことは誰もがあるはずだし、その興奮と喜びは音楽を聴き続ける大きな理由の一つだ。今年、僕がもっともそうした興奮を覚えたのが、某レコード・ショップの試聴機でたまたま出会ったIDIOT POPだ。完全自主制作にも関わらず、この作品はなんと初回生産盤1000枚を一ヶ月で完売。そして現在は、新たに5曲(新曲4曲+リミックス1曲)を追加した通常盤が販売されている。

IDIOT POPは宮崎県延岡市出身の自称テクノ・ドランカー・アーティスト。小室哲哉を原点に、テクノとともに育ってきたという彼。テクノ・ミュージックの歴史やキーワードのどこか一つを選び取るのではなく、手当たり次第につかみとり、混ぜ合わせ、今の日本でしか生まれえない新種の音楽にしてしまった。アンダーグラウンドとJ-POPの間を駆け回り、遊びつくす刺激に満ちたポップ・ワールドに足を踏み入れてほしい。今も毎週のようにIDIOT POPの楽曲をDJでかけながら、僕の興奮はどんどん膨れ上がっている。

-IDIOT POPさんの自己紹介からお願いします。

はじめまして、IDIOT POPといいます。

-子供の頃から、テクノ・ミュージックを聴いてこられたそうですが、そのきっかけは小室哲哉さんだそうですね。彼の音楽があなたに与えた影響というのを教えてもらえますか?

小学6年生の頃、篠原涼子の「愛しさと切なさと心強さ」の劇的なメロディ展開に心打たれて、なんだこの曲は!!!と思い、それからは、出る曲はほとんどチェックしてましたね。高校くらいからどっぷりテクノにはまり、全く聞かなくなったんですが、最近はI Phoneに70曲入っていて滅茶苦茶聴いてます。影響を受けた部分に関しては、一番は、コード感(メロディー)があると思います。手癖というか、彼がよく使う循環コードは、今回のアルバムでは多用しています。あとは、時代とともにレイヴだったりオルタナだったりジャングル、トランス、ドラムンを自分の中で消化し、自分なりの音楽として吐き出し続ける姿勢ですかね。

-現在、楽曲はどういう環境で作られているのですか?

ほとんどPC上でやっています。シーケンサーとソフトシンセで、ストリングやピアノなどの生音っぽい音は、外部シンセです。

-アルバムの初回生産分は完売したということですが、アルバムを出してみての反響というのはご自身ではどう感じられていますか?

ほんとここまで売れるとは予想しなかったです。全くコネもなく、ただ作ろうとしてただけなので(笑)、1000枚も1年くらいかけて手売りで売れるだろうと。正直びっくりしました。そんな僕を拾っていただいた流通会社の人たちや、バックアップしていただいたお店の人たちのおかげです。この場を借りてありがとうございます。あとは、買っていただいた人からの直接的メッセージや間接的にブログやmixi上の日記やtwitterに書いていただいたりしてることですかね。自分の知らない人が気に入ってるみたいで嬉しくなりました。ほんとありがとうございます。

-僕もその初回生産のものを試聴して、即購入した人間ですが、今回の通常盤になって、収録曲が増えてもホントに捨て曲がなくて、素晴らしいと思います。ポップでアップリフティングなのに、凄く奇妙で尖っている。ご自身では、このアルバムはどのような作品だと思いますか?

ありがとうございます。このアルバムは、僕自身を表現したかった、いやむしろ聞きたかったアルバムでかね。テクノって、何か一本筋が通っていなきゃならない、ミニマルだったら最初から最後まで。それがほんと嫌だったんですよ。盛り上がりたい時もあるし、落ち込みたいときもあるし、歌いたいときもあるじゃないですか!?それを一枚のアルバムで表現したかったですね。まあ自分の感情の起伏がすごく激しいのと飽き性な性格が大いに出たアルバムであるかもしれないですね。

-アルバムのイントロになっている「Into Da Parallel Worlds」の語りは何かのサンプリングですか?

これは、僕の大好きな市川崑監督の「黒い10人の女たち」からのサンプリングです。このアルバムのタイトルも初めは「13 Femmes Et Homme(13人の女と男)」にしようと思っていて、まあ結局は、やめたんですが。

-「Paradoxical Scream」ではMIKA、「Candy Machine Music」では「Strings Of Life」と大胆な元ネタを使っていますね。その何でもありな感覚が凄く魅力的だと思うんです。ここまでの3曲がアルバムのつかみと言える曲だと思います。この2曲はどのようなイメージで作られているのでしょうか。

節操ないとは、よく言われます(笑)。でも3曲目は、サンプリングじゃないですね。メロディに合わせてストリング入れただけです。そう聴こえるんですね。意識はないです。「Paradoxical Scream」に関しては、メルヘンだけどどこか捻くれたイメージ(子供がナイフ隠し持ってる)で、「Candy Machine Music」は、クラブとかで盛り上がればいいなぁと作りました。あまり情景からイメージすることは少ないですね、どちらかといえば、作り上げる段階でイメージを固めていくタイプです。