Japanese
2024年02月号掲載
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"その涙の行方を僕の親指に/託してくれないかい?"と歌う「涙の行方」で始まり、"笑わせてみせるよ"と歌う「Chaplin」、そしてインスト曲である表題曲で締めくくられる2ndフル・アルバム。コロナ禍でのデビュー、メンバーの病気療養などこのバンドには紆余曲折あったが、だからこそ、生きづらさを抱えながらも、"生きたい"という本能と共に壁をなんとか乗り越えようとする人の心に寄り添うことができる。ストレートなロックを鳴らしながら勇気あるメッセージを発したり、あえてポップなサウンドに悲哀の詞を乗せたり、寂しげなピアノ・リフと共に物思いに沈んだり......と、愛し愛されることを諦めきれない人間の性(さが)を、様々なカラーで表現するバンドの手腕は見事だ。(蜂須賀 ちなみ)
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