Japanese
2021年11月号掲載
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音楽を軸にしながら、執筆活動やデザイン、舞台の脚本も手掛ける"表現家"西片梨帆による初フル・アルバム。言葉を大切に紡ぐ彼女の歌はするりと心の隙間に入り込み、自分だけが感じていると思っていた小さな気持ちも拾い上げる。優しい慈しみを柔らかなアコギと詩的なリリックに乗せた表題曲、全部がうまくはいかなかったけれど、大事な人と交わした会話を"おまもり"に生きる姿を描く「白昼夢」、負った傷のわけを理解し前を向くその瞬間に寄り添う「桜上水で」、また言葉にこだわる彼女が、友人との会話をきっかけにあえてシンプルなワードで綴った「まちのなか」など、正直な筆致に愛を込めた11曲。弾き語りだけでなく青春パンク的なナンバーから、USインディー風味、ヒップホップと豊かなサウンドも含め飽きのこない仕上がりだ。(稲垣 遥)
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