Overseas
2021年04月号掲載
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郷愁と憂いの時を誘う歌声、気だるそうに問わず語りするようなヴォーカルは、虚ろであり同時に甘美な空気を纏う。そんな歌は今作でも健在だ。グラミー賞の最優秀アルバムにノミネートされた前作『Norman fucking Rockwell!』から1年半ぶりで、前作同様Jack Antonoff(FUN. etc.)とのタッグで作り上げた。Taylor Swiftなど女性アーティストの作品を多く手掛け、それぞれの独自性を引き出しつつヒット作品に結びつける手腕は大きく、LANA DEL REYもまた信頼を置いているのだろう。生楽器で丁寧に作り込まれて、必要最小限という趣だけれども彼女のムード、紡ぎ出す言葉の余韻となってその曲を深く色づけている。クラシカルだが、随所で効いた音の遊びが彼女のポップ性とマッチしている。(吉羽 さおり)
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