Japanese
2019年09月号掲載
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昨年8月に全国デビューした4ピース・バンドの2ndミニ・アルバム。「がらんどう」では恋の終わりを蝉の一生に重ね、続く「白昼夢」も別離についての曲。「たぶん気のせいだ」の主人公も何かを諦めている。同郷のH△Gが提供したバラード「友達の詩」を境に曲調がより彩り豊かに。言葉遊びが楽しい「よくある話」、「フランソワ」、最後のフレーズでちらりと意志を覗かせる「やるきがでないのを」を経て、ライヴ感溢れる「スワロウ」で締める。少年性と少女性、あどけなさと切なさが同居するはたけ(Vo/Gt)の歌声を軸にしたバンド・サウンドは、軽やかだが、憂いを帯びた響き。いい歌、いい歌詞、いい演奏を突き詰めた非常にシンプルな、ゆえに聴く者に何か考える余地を残すような作品だ。(蜂須賀 ちなみ)
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