Japanese
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好みの問題と言えばそれまでかもしれないが、今作のリード曲「Reverb」は実に秀逸なものだと感じた。4人のメンバーがひたすらに歌い、ただただ奏でる。かなりシンプルな要素で構成されたこの楽曲は、それでいて圧倒的な訴求力をもって聴き手の耳と心へじわじわと浸潤してくるのだ。聴きようによっては、こちらがリード・チューンであってもいいくらいにメロディが強い存在感を持っている「EDEN」、揺紗(Vo/Gt)の持つ独特のポップ・センスが色鮮やかに花開いている「TN8」、いちギター・ロック・バンドとしての実力が音からしかと窺える「Ulysses」とデモ・バージョンで収録されたc/wたちにももちろん隙はない。始動からまだ半年足らずとはとても思えない、アゲハの確かな羽音がここにある。(杉江 由紀)