DISC REVIEW
Japanese
2018年12月号掲載
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眩暈SIREN
囚人のジレンマ
インスト曲「微睡」で幕を開ける、福岡の5人組ロック・バンド、眩暈SIRENの新作EP。絶望や悲しみに苛まれながらも"生きづらいこの時代にも光を求めたい"という彼らの叫びが込められたような、光と闇が交錯するメロディが冒頭から聴く者の心をかき乱す。流れるように続く「囚人のジレンマ」では、攻撃的なバンド・サウンドが鳴るなかに光るピアノの音色がその荒々しさを和らげ、美しい日本語で紡がれた厭世的な歌詞がよりまっすぐに届く。「零」の攻撃的なサウンドや、「その後」のささやくようなポエトリー・リーディングも彼らのメッセージをより鋭くさせ、心を刺してくる。それでいてその危うさがクセになり、もう一度聴きたいと思わせる中毒性を持つ1枚。
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