Overseas
2018年09月号掲載
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グラミー賞にもノミネートされた前作『Kintsugi』から約3年ぶりとなる新作。ツアー・メンバーのギターとキーボードを正式に迎えたこともあってか、叙情的なBen Gibbard(Gt/Key/Vo)の歌メロや涙が出るような美しいアンサンブルはそのままに、シンセも含めた生バンドとしてタフ且つ研ぎ澄まされた仕上がりに。中にはアメリカン・ルーツ・ミュージックを思わせるギター・サウンドのプロダクションが印象的な「Gold Rush」や「Autumn Love」なども顔を出し、イノセントなまま大人になるこのバンドの静かで力強い意志を実感できる。現代アメリカにおいてデスキャブのインディー・ロック・サウンドは、30代以上のリスナーにとってはもはや、魂を癒す静謐なソウル・ミュージックなのかもしれない。心許せる親友のような作品。(石角 友香)
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