Japanese
2017年11月号掲載
-
DADARAYのフロントマン、ゲスの極み乙女。/indigo la Endのサポートとしても活躍する"えつこ"のソロ・プロジェクト katyushaが始動から約10年を経て完成させた1stフル・アルバム。ピアノなどの鍵盤楽器、ベース、ドラム&パーカッション、コーラスを基盤にしたサウンドはジャンルにとらわれない自由度がある。それすなわち彼女が曲に込めた想いを最大限に生かすサウンドメイクに注力しているということだ。生活するなかで心の中に宿った感傷や、抱えたまま置き去りにしていた物悲しさを丁寧に描くヴォーカルは、聴き手やえつこ自身を肯定する優しさと強さがある。彼女と対話をしているようなささやかで濃密な空気感、そして零れた涙を優しく拭うようなぬくもりとユーモアがさらに涙腺を刺激する。(沖 さやこ)