Japanese
2017年10月号掲載
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メンバーの交代を経て2年ぶりのリリースとなった今作は、ただひたすら愚直に、"君と僕"の繋がりを描いている。とはいえ甘いラヴ・ソングではない。弱音も吐くし文句も言うけど、絶対負けたくない、君と生きたい、君もそうだよね? そんな少し情けない"僕"の感情を、透明感のある力強い歌声で、脇目も振らず直球で届けようとする曲の数々。本当は思っていても言えない苛立ちや嫉妬も吐露し、人間臭い部分まで表現しているのが彼らの魅力だろう。表題曲「なまえ」では大胆にも音楽シーンや若手バンドに中指を立てて苦言を呈し、抗う様子を見せる。楽曲はどれもキャッチーでありながら、今を闘いながら生きる者に、一緒に闘ってくれるような感覚を与え鼓舞する、優しさとロック精神を孕んでいる。(稲垣 遥)
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