Overseas
2017年04月号掲載
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前作から2年という、バンド史上最も短い期間でリリースされる完全セルフ・プロデュース/レコーディングによる7枚目のアルバム。2015年にBo Madsen(Gt)の脱退という大きな変化に立ち止まることなく、むしろその変化や直感が素直に閉じ込められた作品だ。時間をたっぷりかけ創り上げるという彼らの従来の制作スタイルを打ち破ることに挑戦した本作は、ツアーでのエネルギーや閃きが、ギター・サウンドやより開放的になった歌詞にストレートに表れている。彼ららしさを失わないまま、「Carry Me To Safety」に代表される、エネルギッシュなのに繊細、それでいて以前より壮大になった印象を与える楽曲ばかり。永遠に続くものなどない――変化が目まぐるしい現代だからこそ、長い期間を空けずに彼らが届けたかった思いが感じられる1枚だ。(渡辺 瞳)