DISC REVIEW
Japanese
2017年04月号掲載
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空きっ腹に酒
粋る
これまでの空きっ腹に酒の延長上にしっかりとありながら、どう聴いても一線を画すレベルでクオリティを上げていて、完全にしてやられた。まず、どの曲もとにかくリフのインパクトが強烈すぎる。繰り出される音はどれもがオリジナリティの塊だし、奇想天外なフレーズの数々は未知との遭遇的体験。しっとりムーディに奏でられる「雨」、ホーン・アレンジを前面に押し出した「グル」などは新境地と言えるだろう。しかし特筆すべきはサウンドだけではない。生きにくい世の中に対する嘆きを鋭いリリックで垂れ流しながらも、それをイキりながらあくまで自らがクールだと思う音楽として提示する。そういう彼らのスタンスが、最高に刺激的でかっこいいのだ。結成10周年を迎え、6枚目のフル・アルバムにして、言いたいことも鳴らしたい音楽もまだまだ底が見えない。
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