Overseas
2017年04月号掲載
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近年はドラマの劇伴や舞台音楽など、多方面で活躍するCLARKが自身の名をタイトルに冠した前作から3年。"死の山頂"と名づけられた今作は、彼がここ数年抱えていたテクノ・ミュージックにおける狂気が堰を切ったように溢れ出した力作と言えるだろう。先行公開されたTrack.3「Peak Magnetic」からも滲み出ていた、様々なリズムを取り込むカオティックな音像は、各楽曲にてそれぞれ拡張されており、アンビエント、レイヴ、IDMといった彼自身のバックグラウンドに対する経年変化がサウンドにも反映されている。今でこそARCAのような前衛的で、リズムすら遠くに置いてしまうビートがベーシックになりつつあるが、その礎の一角を築いたのは間違いなくCLARKである。今作を通して、改めてその事実を電子音楽史にしっかりと書き加えておきたい。(小田 淳治)
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