Overseas
2016年12月号掲載
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SONIC YOUTHのKim GordonとBill Naceによるエクスペリメンタル・デュオのライヴ・アルバム。音源でもかなり即興性の高いアヴァンギャルドな作品を聴かせるふたりだが、さらにライヴではKimのヴォーカルとギターも、Billのギターも"音楽以前"の感情やインスピレーションを原始的に表出させた演奏を担っていて、どちらかと言えば2本のギターによるアート、もしくは音のインスタレーションといった印象が強い。しかもノイジーで規則性のないそれは、予測不可能という意味で音のアクシデント、もしくは交信の途絶えた宇宙の彼方で鳴らされる絶望的で、でも人間が発するシグナルとしては最強に切実なものだ。ライヴ・パフォーマンスが少ないという意味では貴重だが、やはり生で観てこそ響くものがある気もする。(石角 友香)
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