Overseas
2016年04月号掲載
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英国・アイルランド最高峰のマーキュリー賞を獲得した2011年の『Let England Shake』以来となる新作は、彼女がコソボ、アフガニスタン、ワシントンD.C.への旅をドキュメントし、しかもレコーディングのプロセスを一般公開するという、タイトル通り"プロジェクト"でもある作品だ。先行配信されたTrack.10「The Wheel」が最も、いわゆるバンド・サウンドであり(クラップが特徴的ではあるが)、統一されたプロダクションとしては、ネオ・クラシカルほどテクニカルではないにせよ、ブラスとストリングスが作品のニュアンスを強く印象づけていること、そしてコーラスというよりは"市民による合唱"的な混声がユニーク。ドキュメントでもありアートでもあるという手法に見る聡明さ、変わらぬ声の力のバランスも無二。(石角 友香)
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