Overseas
2016年04月号掲載
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1983年ネオアコの大名盤『North Marine Drive』から前作『Hendra』まで31年もの間隔があったことを思うと調子の良さがうかがえる2年ぶりのソロ3作目。前作に引き続き元SUEDEのBernard Butlerを右腕に据えている。良質なフォーク・ロック作品だがそこに留まるのはもったいない。Track.1の重苦しさから、共演にアシッド・フォーク・シンガーMarissa Nadlerを迎えたラストのTrack.10にかけて、雲の裂け目が広がるような、えも言えぬグラデーションがじんわり染み入る。EVERYTHING BUT THE GIRLでの成功、一時は死の淵までいった長い闘病生活、レーベル"Buzzin' Fly"の運営やDJ活動も経て、彼の年輪が刻み込まれた老成円熟の説得力だ。(峯 大貴)
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