Overseas
2016年03月号掲載
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アジカン後藤正文の熱心なフックアップもあり、ここ日本でも地位を獲得しつつあるUSオルタナティヴ・ロックの偉大なる中堅どころの8作目。前半こそ従来のグッド・メロディが並ぶが、Matthew Cawsの声がけだるさと情熱の間を振れゆく様がたまらない「Rushing」、ストーンズ・ライクなリフを軸としたフォーク・ロックの「Animal」、これまでの足跡を辿るかのようにノー・ギミックでミディアム・ビートを刻んでいく「Gold Sounds」~「Victory's Yours」と後半の流れが素晴らしい。20年の総括と共に、向かう先の光が見えるいぶし銀な魅力に溢れている。大ブレイクはないものの真摯に活動を続けてきた彼らだからこそ出せる哀愁、居直りも含めたNADA SURF印の風格が感じられる。(峯 大貴)