Overseas
2016年02月号掲載
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00年代のUSインディー・ムーヴメントにおいて、徒花的存在感を示したSMITH WESTERNS。そのフロントマン、Cullen Omoriがバンド解散後にソロ名義で完成させた1stアルバムが到着。甘くポップなキッチュさのあるサウンドで、ロックンロールの刹那性を感じさせたバンド時代とは異なり、ソロ第1作では熟達したソングライティングをアピールする。作品の肝となるのはTHE CUREなどにも通じる、あたたかくもメランコリックな80'sシンセ・サウンドを基調とした濃密な音像。喪失感が通奏低音的に響く今作には、ギター・ポップ的な軽快さを覗かせるTrack.3や、英国的な憂いを含んだメロウなTrack.8、サイケな酩酊感のあるTrack.11など、作品性を保ちながらも幅のある楽曲が収録される。気だるげなポップさの中にTHE BEATLESの影がちらつくのがたまらなくいい。(山元 翔一)
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