Japanese
2016年02月号掲載
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2008年に結成されたポスト・ロック・バンド、Decemberの初の全国流通作品。本作は、新約聖書にある"全"、"永遠"もしくは"始まりと終わり"を意味する言葉をその名に掲げ、"1日の流れ"をテーマに制作。オープニングの哀しくも優雅なヴァイオリンの響きの裏にある、我々の生が背負う業や罪深さとそのすべてを許さんばかりの慈愛――それがそのまま今作の作品性を司っている。まさに贖罪のメロディと言わんばかりに美しさと瑞々しさを湛えるTrack.2、MOGWAIばりの吹き荒ぶシューゲイズ・サウンドを聴かせるTrack.3、ケルト的情緒を滲ませるシアトリカルなTrack.4と物語は続き、Track.7で無へと収束する世界にレクイエムを捧げ、Track.8で愛という名の浄化の光を以って幕を下ろす。我々は命の続く限り、夜を迎え、朝を待つ――ここにあるのはそんな生命の物語だ。(山元 翔一)
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