Japanese
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ソングライターでフロントマンの井上陽介はGotchバンドのギタリストとして、そしてバンドそのものもくるりとの交流などを経て、リリースがない期間に耳目を集めるようになってきた感が。3年半以上ぶりの今作でも、アメリカのルーツ・ミュージックの部分は演奏のたしかさに感じることはあるけれど、全曲日本語になったことでより井上のヴォーカリストとしての心情の揺れに素直に寄り添える。作詞も例えば男女の別れのあとから始まる物語など、淡いがリアルな筆致も冴える。そして本作のキーは井上が敬愛するSandro Perriのミキシング、そして制作期間中によく聴いていたというCurtis Mayfieldの『There's No Place Like America Today』だろう。さらにバンドの存在感があらゆる層に届きそうな転機の1枚。(石角 友香)