DISC REVIEW
Japanese
2015年11月号掲載
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mol-74
まるで幻の月をみていたような
"昨日見た夢を上手く思い出せないように、僕らは大切なことを忘れていく"というテーマを、水面に揺れる幻の月という情景描写に託した2作目の全国流通盤。音と音の隙間を大切にしたサウンド作りにも、多くは語らずに行間を読ませる歌詞にも、聴き手が想像力を膨らませるための余白がある。柔らかなハイトーン・ヴォイスはときに日の光を乱反射させながらあたたかみを放ち、ときにどこまでも澄み渡る世界を冷たく提示する。この"どちらにも受け取れる"感じ、mol-74を色に喩えると白だなあと思う。広がり続けるこの白さが、彼らの大きな特徴だ。人混みに何となく疲れたとき、私はmol-74と一緒に独りになる。お気に入りの本のページを開くみたいに、このアルバムの1曲目を再生する。
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