DISC REVIEW
Japanese
2015年09月号掲載
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にせんねんもんだい
#N/A
トラッシーなノイズに始まり、年々ミニマル化していく、にせんねんもんだいの音楽的変化は、言うなればMC5からデトロイト・テクノへの変化と同義である。MC5にもDerrick Mayにも、原風景にはデトロイトというディストピアの存在があったが、にせんねんもんだいの根底にも、"表現のディストピア"化する世界に対する苛立ちがあり、それを打ち砕く理想主義がある。現実を知り、悲観せず、未来を描く。ポスト・パンク世代のレゲエ/ダブ界の重鎮(つまり、70年代末~80年代前半におけるトップランナー)、Adrian Sherwoodと共に作り上げられた本作にも、そのポジティヴな志向性はみなぎっている。これは、ゆらゆら帝国の子供世代が作り上げた『ナマで踊ろう』に対する回答であり、どこまでも無邪気で力強い未来へのヴィジョンである。
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