Overseas
2015年04月号掲載
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PALMA VIOLETSほど、リスナーの世代によって"懐かしいけどいいもの""まったく新鮮なもの"と印象が二分するバンドも珍しいと思う。目新しい要素の切り貼りより、ロックンロールの奇跡を今の自分の身体と精神を通して具現化する彼らは、真価を問われるこの2ndアルバムでも基本的に不変のスタンスをとっている。Chilli Jesson(Ba/Vo)は本作制作にあたってパンク前夜のレコードを聴き漁っていたと発言している通り、1stにあった、どこか所属レーベルの先輩THE SMITHSにも似た儚さや厭世観は影を潜め、THE RAMONESやJohnny Thundersにも通じる、放蕩者の自由やいい意味でのいい加減さを、ミディアム~スローな楽曲で堂々と鳴らしているのがいい。特にタイトル曲の"締めくくらない"物語性は今どき、稀少だ。(石角 友香)
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