Japanese
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夜とは孤独なものであり空虚なものだ。名古屋発3人組ロック・バンドの"百長"のソングライターである大森貴太(Vo/Gt)は、そんな夜にひとり考えを巡らし音と言葉を紡ぐ。しかし、彼らの鳴らす"夜"は、孤独や空虚さ、懐かしさやぬくもりが共存する、不思議な代物だ。大森の実家が酒屋を営む影響であろうか、メロウなメロディは昭和歌謡か、ともすれば童謡や民謡かのような――初めからそこにあったかのようなノスタルジアを湛え、初期フジファブリックのような普遍性を、何よりロックンロールの微熱を感じさせる。この流行り廃りとは無縁のサウンドや楽曲を聴くほどに、彼らは本当はどこから来たのだろうかと思わせられる。懐かしく、しかし同時に新しさ感じさせる、不思議なバランスのうえに成り立った1枚。(山元 翔一)
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Skream! 2024年09月号