Overseas
2015年02月号掲載
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90年代初頭、THE STONE ROSES登場直後の英国ロック・シーンに現れ、そのダンサブルなグルーヴとアンセミックなメロディが見事に融合したサウンドで人気を博したTHE CHARLATANS。一昨年、結成時よりのドラマーを脳腫瘍で亡くすという悲劇に見舞われた彼らが、その苦境を乗り越え作り上げた通算12作目のアルバム。代わりのドラムには元THE VERVEのPeter Salisbury、NEW ORDERのStephen Morris、そしてFACTORY FLOORのGabriel Gurnseyが参加。アルバム全体に通底音として漂うのは、やはり喪失感、メランコリー。しかし本作には、それでも1歩を踏み出すために沸々と湧き上がる力強さがある。雪解けのあとに芽吹く新緑のような瑞々しい生命力がある。本編ラスト前の「Trouble Understanding」が何より感動的だ。 (天野 史彬)
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