Japanese
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どの曲にも登場人物の涙の跡が見える。ノルディック色の濃いサウンドと無垢なナガノの歌声はその透き通った涙を体現するかのようで、祈りの言葉はより切実なものになり、皮肉めいた台詞やちょっとした強がりもどこか物悲しさを残す。しかしそれと同時に人肌に触れた瞬間の温もりも感じさせてくれるのは、このburikiというバンドが"終わりの先をどう生活していくのか"を丁寧に鳴らしている稀有なバンドだからだろう。本作を締めくくるのは"君が本当に消えてしまわないように歌うよ"というフレーズ。"sign"とは"痕跡"、そして"道標"の意。日常は常に"終わり"と隣り合わせ。だからこそあなたの内側に何かを残すために、あなたの行く先に光を灯すためにburikiは唄い続ける。(蜂須賀 ちなみ)
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Skream! 2024年09月号