Japanese
2014年11月号掲載
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THE BEATLES中期の傑作『Revolver』の最後に収録された「Tomorrow Never Knows」という曲は、テープの逆回転やループを駆使した超絶サイケな1曲で、THE BEATLESの実験的且つ野心的な活動を象徴する1曲だ。札幌出身の5人組、本棚のモヨコは1stフル・アルバムにその曲と同じ名を冠した。つまり彼らもまた、明日へ踏み出すことを恐れていないということである。シューゲイザーや60'sガレージからの影響を感じさせるノイジーなバンド・サウンドに、砂糖菓子のように甘いメロディ。筋肉少女帯~神聖かまってちゃんの系譜を継ぐ、日本語ロックの畦道をいく森脩平の歌詞世界は、夢と現実の狭間で揺れながら、しかし大人に悪戯をしかける子供のように不遜な笑みを見せる。すべてのわがままな子供たち(実年齢は大人でも可)に捧ぐ痛快なロックンロール。(天野 史彬)