Overseas
2014年11月号掲載
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ARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITIiではなくAriel Pinkソロ名義としては初のアルバム。膨大な数のローファイ宅録音源を作り続けていたところをANIMAL COLLECTIVEに見出され、2009年の『Before Today』で一躍インディー・シーンの寵児となり、後のチル・ウェイヴ勢などに大きな影響を与える"2010年代の音"の礎を築いたAriel Pink。このタイミングでのソロ名義とは、やはり『Before Today』と『Mature Themes』の2作で確立したHAUNTED GRAFFITIの"存在意義"にAriel自身が重荷を感じていたのかもしれない。故に本作は全17曲2枚組、各曲の完成度は高いが、しかし全体的には初期を思わせるやりたい放題盤である。70年代ポップスにハード・ロックにポスト・パンクにニュー・ウェーヴ......すべてを繋ぎ合わせ、時代のゴミ箱を宝箱に変えてしまう、その錬金術はやはり圧倒的。(天野 史彬)
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